最強のドリンクバーが東京・小平に誕生!特別なひとときを提供する「イタリアン リゾート ペルティカ」がオープン
全国で6000軒以上あるといわれているファミレス。その歴史は1970年、「すかいらーく 国立店」(その後ガスト国立店として営業、2024年2月閉店)から始まった。経営母体である株式会社すかいらーくホールディングスはファミレスのリーディングカンパニーとして、業界を牽引。外食産業にさまざまな変革をもたらした。ファミレスの代名詞でもあるドリンクバーもそのひとつだ。 【写真】全長12メートル!インペリアルという名前にふさわしいドリンクバーが小平に爆誕! そのドリンクバーが2024年8月、大きな進化を遂げている。すかいらーくグループの新業態「イタリアン リゾート ペルティカ」では、「インペリアルドリンクバー」としてコーヒー、紅茶、フルーツジュース、フレーバーソーダなど48種類を用意。ホテルやカフェ専門店に負けないドリンクが楽しめると話題だ。どのようにしてペルティカが生まれたのか、運営会社であるニラックス株式会社の商品部部長 渡部浩安さんに話を聞いた。 ■「心を満たす」をキーワードに。イタリアンリゾートをイメージしたブランド作り すかいらーくグループでは、「ファミリーダイニング」と「カジュアルダイニング」の2つの軸でブランドを展開している。ファミリーダイニングは、お手頃な価格帯で気軽に楽しめる「ガスト」「バーミヤン」といったブランドが代表格。対してカジュアルダイニングは、客単価はキープしつつも、高品質な外食体験を提供する「しゃぶ葉」「むさしの森珈琲」「桃菜」といったブランドがある。 「すかいらーくグループでは、イタリアンとしてはグラッチェガーデンズがありますが、こちらはファミリーダイニングの位置付けです。グループとしてのブランドポートフォリオを充実すべく、カジュアルダイニングに位置するイタリアンレストランを作り上げようということになりました」 店名にもあるように、ペルティカでキーワードになっているのは“リゾート”。このコンセプトはどのようにして決まったのだろうか? 「おいしい食事とお腹を満たすだけであれば、ご自宅や一般のレストランでも可能です。そこで、新しい時代に合わせた、レストランならではの食事の価値を見直すため、『心も満たす』といったキーワードを取り入れ、非日常感、癒やしの時間を体感できる場所としてリゾートというコンセプトが生まれました。海外旅行も現在の円安では、なかなか行きにくい状況です。身近な場所で海外のリゾート地に行った気分を味わっていただきたい、そんな想いを込めてリゾートの要素を取り入れております」 リゾートも場所によって雰囲気が変わるものだが、ペルティカではイタリア北東部にあるリゾート地「ドロミーティ」(ドロミテとも、Dolomiti)をモチーフにしている。イタリアのリゾートというと、日本ではカプリ島やアマルフィ海岸、シチリア島といった南側のエリアが有名だが、ドロミーティを選んだのはなぜだろうか? 「すかいらーくグループのグランドには、ハワイアンレストランの『ラ・オハナ』というブランドがあります。よって、南イタリアのような海を連想させるリゾート感は、カニバリ(自社内競合)もするため当初の計画からは外れていました。もともと高原のリゾートホテルやラウンジの緑あふれるゆっくりとした時間が流れる空間をイメージしており、調査を進める中でそのイメージと合致したのがドロミーティでした。日本人の方によく知られていないというのも逆にポイントとしており『みんなのイメージする高原イタリアンリゾートを創り上げよう』という企画の裏話もあります」 ペルティカの店内には、ドロミーティからインスパイアされた要素が散りばめられているのだそう。 「一番のこだわりは、三角の山をイメージしたポール看板とロゴです。外観もグレーの石壁と止まり木をイメージしたデザインを用いて、ペルティカらしさを表現しています。すかいらーくグループでは、新規店をオープンするとき、それまで出店のなかった場所に新店をオープンさせるだけではなく、既存のブランドを新しいブランドに転換させる形も併用しています。ペルティカも『ジョナサン 小平店』跡地にオープンさせています。これは時代に合わせてストアポートフォリオをつくりかえ、マーケットに合わせて適切な業態を出店、転換、業態開発することでエリア収益の最大化を図るためです。そうしたときに、三角の山をイメージしたポール看板は、遠目からでもペルティカを認識してもらえるデザインになっていると思います」とのこと。 店内にも、暖炉や鹿の角を使ったインテリアの照明、ドロミーティをイメージしてデザインされた壁面の絵画などを配しており、ペルティカが目指す「心を満たす」空間になっている。 ■体験型メニューも用意。特別感のある時間を最大限に演出 リゾートを体現するのは空間だけではない。ドリンクや料理についてもこれまでのファミレスとは一線を画している。 「ホテルやカフェ専門店がライバル」と言うだけあって、インペリアルドリンクバーは一つひとつのドリンクのレベルが高い。コーヒーはスイスのコーヒーマシンメーカーTONE社の全自動ブリューイングコントロールマシンを採用。ペーパーフィルターをセットし、一杯ずつ抽出するため、豊かな味や香りが楽しめる。エスプレッソマシンもあるので、カフェラテやカプチーノも飲めて、フレーバーシロップやフレーバーパウダーでアレンジもできる。 「ジュースも100%のフレッシュジュースを用意しています。9種類あるフランスのMONIN(モナン)のシロップを炭酸水で割るクラフトソーダもおすすめですね。組み合わせ次第で無限に味わいを変えることができます。インペリアルドリンクバーでは、お客様にアレンジして楽しんでいただけるように、表示ポップなどでわかりやすくお伝えする工夫をしました」 渡部さんに料理のおすすめを聞くと「お客様ご自身で擦っていただくジェノベーゼパスタです」とのこと。「擦りたてフレッシュバジルのジェノベーゼ」を注文すると、バジルの葉、松の実、オリーブオイルが入ったすり鉢を渡される。すりこぎで50回ほど香りが出るまで擦ったところで、すり鉢をスタッフに渡すと、パスタを仕上げて持ってきてくれるというスタイルだ。 ほかにも、スプーンですくえるふわとろ食感のハンバーグ、焼きたてを随時サーブしてくれるフォカッチャ、低温で焼き上げた大判ローストビーフと、食欲をそそるメニューがラインナップ。キッズメニューも3種類用意されている。大人と同様にチーズを目の前で削ってくれるサービスもあり、大人から子どもまで特別な時間を過ごせる。しかし、これだけサービス満点だと、スタッフの確保が大変そうだが、その点は問題ないのだろうか? 「おかげさまで人員については問題ありません。オープンより店舗を見られた方から私もこんなレストランで働いてみたいと、応募を多くいただけている状況です」とのことで、すかいらーくグループの力強さを感じさせた。 奇しくも、ファミレス業界でドリンクバー発祥の地である小平にペルティカはオープン。この地がペルティカの1号店に選ばれた理由は「一都三県の中で、マーケットボリュームが一定数あり、カニバリ解消を含めたエリア収益が最大化する店舗をピックアップしました。その観点において、建坪面積の広さ、駐車場台数というキャパシティを合わせて検討した結果、1号店が小平店となりました」だそう。 オープンから1カ月経過しているが連日多くの客で賑わい、手応えを得ている、と渡部さん。 「おかげさまで大変多くのお客様に高いご評価をいただいております。ご予約をおすすめしておりますが、予約してなくても一般席をご用意しておりますのでご安心ください。一般席の順番待ちはLINE公式アカウントからも可能ですので、ご自宅から発券してのご来店をおすすめしております。新規1号店ということで改善箇所は多数ありますが、お客さまの声を聞きながらしっかり改善を進めてまいります。すでにリピーターのお客さまも多くいらっしゃいますので、飽きさせないために、メニューの入れ替えやティータイムでのアフタヌーンティーセットの販売など検討しています。2025年以降で30店舗を目標にしていますので、ご期待ください」 小平から新たなファミレスの波が広がっていきそうだ。 取材・文=西連寺くらら ※記事内の価格は特に記載がない場合はサービス料・税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。