初出場の東海大相模が快進撃8強! 大舞台で逞しさ増す教え子に「高校生はこんなに成長していくんだな」東北学院は42年ぶりの躍進が終わる
[1.2 選手権3回戦 東北学院高 0-3 東海大相模高 U等々力] 第103回全国高校サッカー選手権は2日、3回戦を各地で行った。Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsuでの第1試合は、東海大相模高(神奈川)が東北学院高(宮城)に3-0で勝利。選手権初出場でベスト8進出を果たした。 【写真】福田師王が大胆イメチェン「ライオンじゃん」「圧倒的金ピカ」 42年ぶり3回戦進出の東北学院は、2回戦から先発2人を変更。MF阿部圭汰(2年)とDF鈴木幸太(3年)が起用された。4-4-2の布陣でGKは橋本脩礼(3年)、4バックは左からDF渡邉幸輝(3年)、DF吉田健太郎(3年)、DF阿部幹大(3年)、鈴木。2ボランチはMF菅原心汰(3年)とMF杉山和勢(3年)。サイドハーフは左が阿部圭、右がMF佐々木智貴(3年)。2トップはFW岡元龍太(3年)とMF佐藤成真(3年)が入った。 シード校で2回戦が初戦だった東海大相模は、FW山田大樹(3年)が先発入り。4-2-3-1の布陣でGKは松坂亮(3年)、4バックは左からDF佐藤碧(3年)、DF石井龍翔(2年)、DF塩田航央(2年)、DF森安南翔(3年)。2ボランチはMF長井隆之介(3年)とMF高畑旺崇(3年)。2列目は左からFW辻将輝(3年)、MF沖本陸(3年)、山田。1トップにMF小林晄也(3年)が立った。 開始早々にスコアが動いた。前半5分、東海大相模は左サイドの深い位置から佐藤碧がボールを戻すと、待ち構えた長井がダイレクトで左足キック。PA中央に飛んだところを、小林がヘディングシュートで合わせた。ゴール上部に向かってGK橋本に触れられたボールはクロスバー直撃。地面に叩きつけられたところを橋本にキャッチされるが、主審はゴールラインを割ったとみなし、先制点が決まった。 得点後は拮抗状態が続くなか、前半残り5分のところで東海大相模は得意のロングスローを4連続で敢行。すると前半アディショナルタイム1分過ぎに追加点。4度目に佐藤碧が右サイドから放ったボールを塩田がヘディングシュートで叩き込み、2-0と点差を広げる。そのまま前半を2-0で折り返した。 ハーフタイムで東北学院は鈴木と阿部圭を下げ、DF壱岐翼(2年)とMF阿部慶人(2年)の投入で攻撃に厚みを加える。後半開始から攻勢を強め、後半26分には阿部慶のクロスに壱岐が強烈なヘディングシュート。しかし、わずかにゴール右外に外れた。 すると、後半31分に東海大相模がダメを押す。沖本が敵陣PA内に入り込むと、PA右にこぼれたボールを、途中出場のFW西田蓮(3年)が右足でクロス。ファーサイドに飛んだボールを辻が胸で収めて右足シュートで決め切った。 東海大相模は初出場ながら、3-0でベスト8進出。夏のインターハイは4度の出場で過去最高成績が3回戦進出だったが、夏冬合わせて初の8強入りとなった。有馬信二監督は「彼らが本当に落ち着いている」と教え子たちの逞しさに目を細めた。 甲子園常連の野球部を引き合いに発破をかけていた。有馬監督は「野球部が甲子園で浮ついていない姿を見て、お前らも落ち着けと、地に足を着けろと言っていた」と明かす。しかし、選手たちは苦境を乗り越えて一気に大人びた。指揮官は選手たちの快進撃に「高校生はこんなに一戦一戦成長していくんだなと改めて思った」と率直に称えていた。 目標だった全国8強入りを果たした。有馬監督は「うれしく思う」と破顔。快挙を成し遂げた生徒には「夢のある場所に来たんだから、夢を掴みに行こう」と伝達したという。その夢の正体を今は明かさない。「それを掴めるところまで来ているのかな」とあと3勝で到達する場所を見据えていた。 東北学院は42年ぶりの過去最高成績ベスト8まであと一歩及ばず。橋本俊一監督は「このレベルになるとミスした方が負け」と敗戦を認める。2点差がついた状況で、後半2枚替えからの攻勢。「あとは悔いのないように、やりきって終わるように、とにかく積極的にと話をした」。後半45分はその教え通りの戦いぶりだった。 37年ぶりの選手権出場から、42年ぶりの快進撃は終わった。「いろんな目標があった。まずは1勝、年を越すことだったり、ベスト8に向かうことだったり。そういった1戦1戦という目標を果たすことができて、今日はもう決勝戦のつもりで戦った」(橋本監督)。指揮官は悔しさと清々しさをのぞかせながら、選手権を後にした。