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「新型コロナ渦で経営破綻クラブを出すな!」Jリーグが財務サポート策を準備している理由とは?

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THE PAGE

 世界的な大流行となった新型コロナウイルスの影響を受けたJリーグは、自然災害以外では初めて公式戦の開催を延期する事態に直面している。延期された試合数は「163」に到達。当初予定されていた18日からの再開が断念されたことで、3月にひとつの試合も開催されない状況も確定した。  新たに再開目標として掲げられたのは4月3日。村井満チェアマンの指示でJリーグ内に発足した4つのプロジェクトチームが緊密に連動しながら、観戦に訪れたファン・サポーターを守るためのスタジアム運営や安全な応援スタイルの要請など、再開へ向けた環境作りに奔走している。 そして、プロジェクトチームのひとつに、J3までを含めた全56クラブの財務をサポートすることを目的としているものがある。プロジェクトの意図を村井チェアマンはこう説明する。 「日銭のキャッシュフローを想定しているクラブもあれば、そのなかで入場料収入をあてにしているクラブもあります。1カ月試合がないなかで、財務的なところも冷静に精査していく必要があると考え、シミュレーションとリーグによるサポート体制をケアしていきます」  最初に94試合分の延期が決定した2月25日の時点で、クラブ経営へ与えるマイナスの影響を懸念する声は少なくなかった。経営破綻という状況に直面したクラブへの救済措置を、メディアから問われた村井チェアマンは「まずは状況を把握することが大事だと考えています」とこう続けている。 「純資産が薄いクラブのなかで、入場料収入をあてにしなければいけないクラブに関しては、キャッシュポジションをしっかりと把握し、確認する作業を同時に進めていきたい。資金繰りなどの問題が起こらないかを、クラブと連携を取りながら十分に配慮していきます」

 会計学用語である純資産は、企業の資産総額から負債総額を差し引いた金額を指す。Jリーグでは全クラブの経営情報を開示していて、そのなかの貸借対照表に純資産も記されている。最新の情報となる2018年度決算を見ると、J3に純資産が薄いクラブが集中していることがわかる。  金額の多寡で一概には判断できないと断りを入れたうえで、それでもクラブの体力を示す目安のひとつとなる純資産の金額をあげると、J3で最も多いクラブがカターレ富山の7000万円で、対照的に最も少ないのがY.S.C.C.横浜の200万円だった。14クラブ(当時)の平均は約3100万となっている。  必然的に毎月予定されるホームの試合に応じて、入場料収入や試合開催に伴う物販収入を予算に組み込むJクラブが少なくない。例えば週末に予定されていた試合が延期され、平日のナイトゲームとして組み込まれた場合には、予算を組んだときに想定していた観客数から大きく落ち込む可能性もある。  Jリーグではクラブライセンス制度が厳格に適用されていて、年度決算で純資産がマイナスに、要は債務超過状態になれば退会などの厳しい措置が取られる。ほとんどのクラブが1月末決算で、すでにリーグ側も経営情報を把握しているなかで、2019年度決算で債務超過に陥ったクラブはないという。  それでも、未曾有の状況に直面しているなかで、不測の事態が起こるリスクがあると認識しているからこそ、プロジェクトチームのなかに財務サポートが設けられた。村井チェアマンは「まずはクラブの自助努力がベースになる」としたうえで、さまざまな措置を施す準備を進めていることも明かした。

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