【安田記念】1995年はハートレイクが豊マジックで接戦制す サイレントウィットネスなど外国馬の活躍を振り返る
香港の歴史的スプリンター来日 2005年サイレントウィットネス
2005年は当時の香港スプリント界で無類の強さを見せていたサイレントウィットネスが参戦。大いに盛り上がったレースとして記憶に残っている。香港表記で「精英大師」。海外競馬に詳しくないファンの中でも、当時グレード制導入以降の世界記録であるデビュー17連勝を果たした馬の参戦として注目を集めた。 とはいえ、当時の日本のファンはその実力を疑わざるを得なかった。まず歴史的スプリンターではあるが、前走で初めてマイル戦に挑戦し、2着に敗れていたこと。年明けからすでに5戦し、疲労が懸念されていたこと。前走573kgだった馬体がレース当日はマイナス23kgの550kgとなっており、初の海外遠征の影響がもろに出てしまっていた。結果、このレースの単勝1番人気は5.8倍のテレグノシス。単勝一倍台が5頭もいた。 1番人気 テレグノシス(5.8倍) 2番人気 ダイワメジャー(6.8倍) 3番人気 ダンスインザムード(7.5倍) 4番人気 アドマイヤマックス(7.6倍) 5番人気 サイレントウィットネス(8.6倍) 1986年以降、このレースまでにGⅠレースで単勝1番人気のオッズが5.0倍以上だった例は7例しかなく、歴代2位タイの高オッズになっていた(1位は1989年、日本ダービーのロングシンホニー)。 レースはサイレントウィットネスがポンと好スタートを決めた。しかし、ローエングリン、オレハマッテルゼが先手を奪いに行き、サイレントウィットネスも一瞬掛かったように前を行くと、2番手まで再浮上。そのまま400m通過時点でも楽な手応えで手綱を持っていた。直線に入るとバランスオブゲームが早め先頭に躍り出るも、F.コーツィー騎手は焦る素振りも見せず、坂を駆け上がりラスト200mでは再度先頭を奪い返した。しかし、外から伸びてきたアサクサデンエンに抜け出され、最後はスイープトウショウにもかわされ3着。ただ最後まで垂れることはなかった。 何より驚いたのは先行馬総崩れの展開になりながら、ただ1頭最後まで追い込み馬たちと競り合ったその実力だ。この走りを受け、秋にはスプリンターズSで堂々の1番人気に支持され、デュランダルなどを封じて日本のGⅠを制した。