イラクで一時拘束の常岡浩介氏が会見(全文1)イスラム国メンバーではない
私はイスラム教徒だが、イスラム国のメンバーなどではない
私としましては、ここでまた念を押しておきたいのですが、イスラム国のメンバーなどでは断じてございませんし、支持者ですらございません。私は、イスラム教徒ではありますけれども、で、中田先生と一緒にいろんな活動をしたっていう経緯もありますけれども、思想・信条では中田先生とは一致したところがほとんどございません。イスラム国、あるいはカリフ制の是非といった問題については、イスラム国に根本的に反対していますし、カリフ制がイスラム教徒の義務であるとか、カリフ制は素晴らしいなんていう考えも、まったくの妄言だというふうに考えています。カリフ制があるから残虐なことをしても、イスラム国には意義があるとかそういう主張をしている人たちが日本にも少しいらっしゃるようなんですけども、まったく賛成できない考え方だと思っています。 自分が知っているイスラムというものは、そういったものではない。確かにイスラム法学者の先生が言ってるんだから、説得力があるのかといいますと、イスラムっていうのは今日、イスラム教徒になった人でもあるいは何々、アズハル大学の大学者であっても神の前にはまったく平等だというのが前提で、そこが実は素晴らしいと思ったところでもありまして。私がイスラム国はまったくイスラム的でない、自分が信じているのはイスラムだと思っているとしたら、それは大学者が言うのと全然、実は立場的には平等なんです。 そういう意味で、今、まだ捜査を続けていらっしゃるアサイシュの皆さんに、ぜひとも何度でも念を押したいのは、私はむしろイスラム教徒としてはアサイシュの皆さんと同じ考えであって、イスラム国とはまったく相いれない考え方の持ち主であるということです。その思想チェックみたいな形にはなりますけれども、戦時下の今のイラク、あるいはシリアでは、捜査機関が何よりも気にしているのは、そのイスラム教徒1人1人の頭の中身、思想です。イスラム国の問題というのは、軍事的にどうのこうのというよりも、その思想が存在する、これは軍事的に破壊しても思想は残ってしまうというのが、誰にも止められないことだからこそ、警戒され続けるということになります。その点で私も。 通訳:すいません。