「ポイント経済圏」の一部になる未来も近い?コンビニATMがいま再注目のワケ
クレジットカードやキャッシュレス決済にまつわる疑問や悩みに“クレカの鉄人”岩田昭男師範が答える連載企画。今回は、キャッシュレス決済が普及してきたいま、改めて注目を浴び始めているATM(現金自動預け払い機)の最新情報を岩田師範が解説します! 【第16回】ATMの最新事情を詳しく知りたい! (相談者の要望) ・最新のATM事情を知りたい ・手軽に手数料無料でATMを利用する方法はないか教えてほしい ・コンビニのATMをよりおトクかつ便利に利用する方法も知りたい
維持管理費が負担になり、銀行はATMを持て余し気味
師範 いつも使っていた銀行ATMがなくなって困っとるのはおぬしか。 長都 はい。自宅や会社の近くにあった私がよく使う銀行のATMが全滅しちゃって。ほかの銀行やコンビニのATMを使うと手数料がかかるんで、あまり使いたくないんです。 師範 なるほど。確かに近年、銀行ATMは減少の一途を辿っとるな。元々ATM(現金自動預け払い機)は銀行の所有物じゃったが、キャッシュレス決済の普及とともに利用頻度が減り、1台あたり月30万円とも言われる維持管理費が負担になっとる。正直どの銀行も、ATMを持て余しとる状態じゃ。 長都 キャッシュレス払いは現金引き出しの頻度が減るし余計な小銭もたまらなくて便利だと思っていましたが、銀行にとっては逆に不都合なことも起きていたんですね。
コンビニATMの進化が止まらない! 入出金でポイントが貯まるサービスも
師範 給料振り込みの普及による窓口の混雑と行員の業務負担軽減のために広まったATMが、ネットバンキングやキャッシュレス決済の普及でその存在意義を無くしつつあるのは感慨深いが、ともあれ銀行は、ATMを「できるだけやめたい」「お金を払ってでも下請けに出したい」と考えとるようじゃ。 そこで注目を集めとるのがコンビニATM。コンビニ的にも店内でお金が引き出されればそのまま買い物につながるということで、両者の思惑が一致。銀行ATMからコンビニATMへの移行が急激に進んでおる。コンビニATMで一番普及しているのはセブン銀行のATMで国内設置台数は約2万7000台にのぼる。 セブン銀行はコンビニATMを最初期に始めた銀行のひとつで、本体を小型化しつつICカード対応など機能を積極的にアップデート。コンビニATM普及の立役者となった。スマホがあればキャッシュカードなしで取引が可能になったのも画期的じゃったな。 長都 急に現金が必要なときにスマホだけで引き出せるのは確かにすごく便利です。 師範 スマホ決済アプリや交通系電子マネーへの現金チャージにも対応。ちなみにセブン銀行ATMは海外送金に対応しており、日本で働く外国人労働者が母国の家族に送金するのにも役立っとるそうじゃ。 長都 最近ではコンビニATMで提携銀行の口座開設や住所変更の手続きなんかもできるみたいですね。 師範 また、直近ではローソン銀行が今年1月から新型ATMの導入を開始。7月から流通予定の新紙幣に対応するほか、PayPayなどスマホ決済アプリに加えて、NFCにも対応することでSuicaなどの交通系電子マネーや楽天Edyなどの電子マネーへの現金チャージが可能になる。 また、ATMで入出金をするだけでPontaポイントが貯まるサービスでは、スマホのPontaアプリの読み取りが可能になるなど、利便性が大幅にアップした。