「丸亀製麺」世界ナンバーワン店をプロデュースしたプロが提言 「令和を生き残るスキルは『相談力』」
相談の「ある種の技術」
ヨコの関係がつくれるようになると話す相手は年上だけでなく、若い人も増えるようになります。実際、私が携わっている業界は金融や医療、飲食など10業種を超えていますが、相談する相手は10代から80代までさまざま。面白いことに、話す相手が違うと、見えてくる世界も違ってくるのです。 私の場合、そうやって相談しあえる相手の一人が、吉本興業元会長の大崎洋さんです。私とは30歳近く年齢の離れた方で、ご縁は、吉本興業が10年以上取り組んできた地方創生事業(「地方住みます芸人」など)をステップアップさせたいと、依頼を受けたことから始まります。それを機に大崎さんとよく話すようになり、今ではお互いに気軽に相談しあえる関係ができていると思います。でも、相手は百戦錬磨の“話”のプロ。何となくフィーリングが合ったからというだけで、お付き合いできるようになったわけではありません。 先に「相談にも聞き方がある」と述べましたが、別の言い方をすると、それはある種の技術です。技術なら習得すればいい。いくつかご紹介してゆきましょう。
「予防相談」
例えば、相談はタイミングがとても重要です。 飲食店の例をまた持ち出して申し訳ありませんが、例えばあなたがお店をつくるとします。「ゆったり、くつろげる店にしたい」というコンセプトが浮かぶ。店を出したい場所も決まった。そこで、先輩や同業者に聞く。でも、それでは往々にして遅い。これは、私が身をもって体験したことです。では、いつならよいのか。結論から言うと、早いほうがいい。 そこで私が提案するのは「予防相談」です。これは私が作った造語で、いろんなことに応用できます。一般に相談は行き詰まったときにするものだと思いがちですが、例えば、 ・時間がないと感じたとき。 ・自分が知っている情報が古いかもと感じたとき。 ・アイデアや考えられる選択肢が一つしかないと思ったとき。 こういう時こそ予防相談のタイミングです。最近は社会の変化が激しくなっているので、キャリアを重ねて社会での立場が上になっている人こそ予防相談が必要です。 丸亀製麺の話をすると、ハワイでは良い場所が空くと希望者が殺到するから、それから動くのでは遅い。予防相談を繰り返していたことで、もっとも良い場所に最良のタイミングで出店できました。