まひろでさえも勝てない…思わずひれ伏したくなるほどの最強キャラとは? NHK大河ドラマ『光る君へ』第43話考察レビュー
双寿丸(伊藤健太郎)の振り方が見事…。
大人たちが穏やかな心を得る一方で、若者は悩みの最中にある。 まひろの家では父・為時(岸谷五朗)が越後から帰ってくる一方で、頻繁にご飯を食べにきていた双寿丸(伊藤健太郎)が主人の為賢(神尾佑)に従って太宰府に下ることになった。双寿丸に想いを寄せる賢子(南沙良)は太宰府についていこうとするが、「お前は都でよい婿を取って幸せに暮らせ」と暗にフラれてしまう。 妹のような存在に思っていたと言われて、ショックを受ける賢子。だが、双寿丸の言葉には嘘も混じっているように感じる。下級貴族の娘として周囲に守られてきた賢子と、武者として主人に仕えてきた双寿丸。 身分差があり、育ってきた境遇も生き方もまるで違う。まひろと道長が若い頃とは違い、日の当たる場所で会うことはできても、一緒になれるかどうかは別だ。いと(信川清順)が自分たちの関係を心配しているのも知っているため、双寿丸は敢えて賢子を突き放したのではないだろうか。 直秀(毎熊克哉)とはまた違うベクトルで、少女漫画に出てきそうな理想の男子を体現した伊藤健太郎。朝ドラ『スカーレット』(2019)以来、約5年ぶりのNHKドラマ復帰作となったが、さすがの存在感で視聴者の関心を惹きつけた。どうかこれで退場とは言わず、また終盤にかけて登場し、賢子と再会を果たしてほしい。 【著者プロフィール:苫とり子】 1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
苫とり子