識者「ネット選挙で収益化の構図」 兵庫県議会、国に対策求める方針
兵庫県知事選を機に百条委の経過がネット交流サービス(SNS)などで誤解や中傷を伴って発信されていることから、県議会はSNS被害防止を含む公選法改正を国に求める決議を検討している。12月定例会での決議を目指している。 【写真まとめ】斎藤氏の当選確実にわく街頭の支持者たち 各会派は、誹謗(ひぼう)中傷や特定のXアカウントが使用できなくなる「凍結」など、知事選で問題となった事例をまとめ、26日に会派間で集約。12月13日に全会一致で決議を採択する方向で調整している。 SNS上で中傷や根拠不明の情報が飛び交った今回の知事選について、公選法に詳しい東北大の河村和徳准教授(政治学)は「広告収入など、ネットの伸長で選挙が稼げる『コンテンツ』になっている。印象的な投稿を続けると視聴回数が伸びて収益につながるという構図ができあがっており、ネット選挙のあり方について議論が必要だ」と指摘する。 他の候補の当選を目的に活動したり、街頭演説を別の政治家の批判の場としたりするケースへの対処については「表現の自由の観点から活動の線引きは難しい」とした。さらに「選挙管理委員会や警察が法の趣旨を逸脱した疑いのある行為に対し、積極的に注意していくべきだ。新たな規制をつくるより抑止につながる効果的な取り組みが現実的だろう」と話した。【中尾卓英、古川幸奈】