「米の慰安婦像」撤去求める署名10万超 米政府はどう対応?
2013年7月、アメリカ、ロサンゼルス近郊グレンデール市は公園に従軍慰安婦の被害者を象徴する少女像を設置しました。「戦時中、日本軍が慰安婦を強制連行・性奴隷にした」とし、それを追悼するために作られたものです。慰安婦問題に関しては、そもそも歴史的経緯の認識について日韓の間で隔たりがあり、たとえば日韓基本条約のこの問題は解決しているというのが日本のスタンスです。一方で韓国ではそうとらえていません。 この設置に関して、日本の地方議員321人が市側に抗議文を提出しています。また、一般人の間でも米ホワイトハウスのホームページ上で撤去を求める署名が10万人以上集まる一方、保存を訴える署名でも10万人を超えるなど、ネットを中心に関心が高まっています。この署名は米政府にどのような影響を与えるのでしょうか。
10万集まれば米政府が「対応」
署名がこれほど集まった背景には、2011年にネットで請願申請できるシステムが開設されたこともひとつの理由でしょう。2011年9月、ホワイトハウスのホームページに、連邦政府への請願(petition)をオンラインで受け付ける「We the People」が開設されました。合衆国憲法修正第1条には「連邦議会は人民が苦痛の救済を求めて政府に対して請願する権利を侵害する法律を制定してはならない」という部分があります。ネットのシステムはこの請願制度をより使いやすく利用してもらうためのものだといえるでしょう。 請願は13歳以上で、メールアドレスを持つ人ならば誰でもアカウント取得し、申請することができます。タイトル、請願内容、カテゴリを選び、申請するという作業です。請願は一定期間内に一定数の署名を集めた場合、連邦政府で検討され、それに対する回答という形で「対応」がなされることになっています。 一定数とは当初は2万5000人でしたが、現在では「申請から30日以内に10万人分の署名が必要」となっています。そのため、今回のグレンデール市の騒動でも10万という数字がクローズアップされたわけです。