【日本市況】株式は小幅下落、日米選挙近づき方向感欠く-円伸び悩み
オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクターは、先週に150円台を維持できなかったことや短期的に手掛かりに乏しいことから、ここまでのドル高・円安に対して「利益確定の動きは続きやすい」と指摘。もっとも好調な米経済指標やタカ派色の強い米金融当局者の発言を背景に、149円割れではドル買い需要が強まりそうと語った。
ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、「円高・ドル安が進んだところでは個人投資家などのドル買いが円の重しになった」と説明。その上で、米大統領選を来月初めに控えて相場の取引自体は「抑制的」だとし、流動性の薄さを指摘した。
債券
債券相場は中長期債が上昇。先週末に売られた反動で買われた。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、中長期債が買われる一方で、先週強かった超長期債は売られており、いずれも需給に伴う振れにとどまっていると指摘。「様子見姿勢が強く、週末の衆院選までは明確な方向感が出にくい」と話した。
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、与党過半数割れなら政局が不安定化するため「日本売りという形で株安、円安となり、安全資産である債券は買われる可能性もある」と語る。ただ、その場合は財政拡張の可能性も高まるため、「大きく金利が下がることもイメージしにくい」とし、いずれにしても選挙結果が出るまでは動きにくいと続けた。
新発国債利回り(午後3時時点)
--取材協力:長谷川敏郎.
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Momoka Yokoyama, Daisuke Sakai, Masahiro Hidaka