MLBスカウトは秋山、筒香、菊池にいくらの値段をつけるのか?「シフト守備全盛で内野の守備力を重要視しない」
今オフは、横浜DeNAの筒香嘉智(27)、広島の菊池涼介(29)、西武の秋山翔吾(31)という3人の野手が、大リーグ移籍を目指す。筒香、菊池は、球団がポスティングシステムによる移籍を容認。秋山は海外FA権を行使しての移籍希望だ。 それぞれの評価はどうなのか。 あるア・リーグのベテランスカウトに聞くと、「秋山が一番、すんなり決まるのではないか」と推測した。 「外野の守備は、こっちでも通用するだろう。打つ方に関しても、アベレージヒッターなので、それなりに計算はできる。最初は苦労しても、最終的には3割を打てる技術もある」 過去3年は、いずれも20本以上のホームランを放っているが、「そこは、期待されない」そうだ。 「それはおそらく、彼に求められる役割ではない。もちろん、20本打てるに越したことはないが、それよりは、打率であり、安定した出塁率が求められるはずだ」 同スカウトは、「本塁打への意識が低くなることで、別の部分で数字が上向くのでは」ともみる。 「おそらく、三振は減るだろう。もともとバットコントロールがうまいのだから、それがさらなる率の向上に繋がるかもしれない」 金額の評価は「もう少し、今年の市場がどうなるか見極めないと難しい」と話すも、「2年総額500万ドル(約5億4200万円)~600万ドル(約6億5000万円)+1年のオプション」と予想した。 「来年4月に32歳になるので、長期契約は難しい。おそらく、マイナーに外野手の有望選手がいるが、あと2~3年は時間がかかる、というチームが動くだろう。リスクも少ないので、彼に対する需要はある」 一方で、ポスティングで移籍を目指す筒香と菊池に関しては、「評価が割れるのではないか」と語った。
筒香に3年総額21億円の評価があっても不思議ではない
「まず筒香だが、本塁打は魅力。しかもまだ、27歳(今月26日に28歳)。さらなる上積みも期待できる。左方向へ打つ器用さもあり、適応力も高いのでは」と高い評価を与えている。 しかし、「課題は守備だな」。 「外野は、どうだろう。今のレベルなら、試合終盤に守備固めで交代させられるかもしれない。現実的には『一塁手/指名打者』ということになるかもしれないが、そのポジションにはライバルが多く、しかも、30発は求められるので、ハードルが上がる」 となると、筒香のマーケットは限られそうだが、同時にそこが、評価の分かれ目。レフトでも使える、と捉えるか。「一塁/DH」 なら、30本を打てるかどうか。他には今季27試合先発で守った三塁へのコンバートも考えられ、「それは、選択肢の一つ」という。 「今、大リーグでは、外野手にはそこそこの守備範囲の広さが求められる。逆に内野手なら、守備範囲の広さは二の次。シフト全盛だから、その指示通りに守ってくれれば十分。彼は元々三塁手なので、最初から否定する理由はない」 しかしながら、「ブランクもあるだけに(今季三塁を守ったのは5年ぶり)、やはり、評価が難しい」そうだ。 敢えて、その評価を金額で示すと? 「守備にはある程度、目をつぶる。しかし、30本打てるーーそう評価するチームなら、3年総額2000万ドル(約21億6800万円)のオファーをしてもおかしくない。しかし、そこまで確信が持てないなら、年俸はその半額になる可能性もある。チームのニーズにもよるが、そのチームのスカウティング能力が試される」