ラーメンを食べるキム・カーダシアン娘の背景に7億円のバスキア作品。所有数ではMoMA以上?
2017年にクリスティーズのオークションに出品され、490万ドル(約7億5000万円)で落札されたバスキア《Both Poles》(1982)の持ち主はキム・カーダシアンなのではないかと報じられている。 バスキアの《Both Poles》(1982)は、キャンバスに「North Pole(北極)」と「South Pole(南極)」という言葉が走り書きされており、つるはしとテレビアンテナのようなものが描かれている。同作は1982年、彼がロサンゼルスデビューを飾ったガゴシアンの展覧会で披露され、2017年にクリスティーズに出品されるまで表舞台に姿を見せなかった。 事の発端は、10月24日にカーダシアンの母クリス・ジェンナーがinstagramに投稿した写真だ。カーダシアン宅で開催された映画『ウィキッド』の試写会の様子が何枚もあげられており、そのうちの1枚、ウィキッドのテーマカラーのグリーンとピンクでテーブルセッティングされた空間の壁に《Both Poles》がさりげなく飾られていた。
これを最初に報じたのはエンタメ情報を扱うE! Newsで、次いでアートネットが、2023年にカーダシアンがインスタグラムに投稿した画像の中で、末娘シカゴがラーメンを食べている背後に《Both Poles》が映っていると指摘した。 《Both Poles》は、バスキア作品の中ではそこまで高額ではないが、アート界がこのニュースを注目する理由は、もし本作を本当にカーダシアンが所有しているのだとしたら、彼女はニューヨーク近代美術館(MoMA)を含む多くの美術館よりもバスキア作品を持っていることになるからだ。 現在、カーダシアンがアートを真剣にコレクションしているという確証は得られておらず、具体的な所有作品数も公表されていない。だが、2023年にチャリティーオークションでトム・ブレイディとジョージ・コンドの絵画を競り合うほど熱心なアートラヴァーであることは確かだ。そして彼女の一族は、アート界で独自の地位を築きつつもある。妹のカイリー・ジェンナーは暖炉の上にバスキアの作品を飾っており、ケンダル・ジェンナーはジェームズ・タレルとの親交が知られている。また、クリス・ジェンナーはアートアドバイザーのアヴリー・アンドンのおかげでハップ・タイヴィーの新作を手に入れたという。 一方で、カーダシアンは、彫刻家ドナルド・ジャッドのデザインしたテーブルを所有していると虚偽の主張をしたとして、ドナルド・ジャッド財団から訴訟を起こされている。彼女の弁護士は、この訴訟を「最大限の宣伝効果を狙った策略」と主張し、却下を求めている。(翻訳:編集部)
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