“昭和の銭湯”最後の日 老朽化と体力の衰えで…惜しむ声多く 近所の女の子から「95年目」の金メダル 後継者募集へ 4代目「銭湯の火、消さない人来るのを信じて」
営業最終日の6月30日午後5時ごろ、雨にもかかわらず多くの客が詰めかけました。 市内から(70代): 「最後だというから来たの。寂しいね、せっかくこんなにいいお風呂あるのにね」
夕方、弘幸さんたちが休憩していると… 桑の湯4代目・桑沢弘幸さん: 「ちかちゃん、あらあらあら、ちかちゃん来てくれた」 近所に住む・内藤知花さん: 「きょうもいっぱい持ってきた」 訪ねてきたのは近くに住む内藤知花さん(8)。先日の取材時にも2人に手紙を書いてきた女の子です。 内藤知花さん: 「きょうもお手紙もってきたから、どうぞ」
30日も手紙や自作のメダルを持って来ました。 桑の湯4代目・桑沢弘幸さん: 「うれしい、ありがとう。95年の金メダルだ、ありがとう」 手紙を読み上げる弘幸さん: 「桑の湯さんへ きょうは最後の日で寂しいです。ここまで続けてくれて感謝しかありません」
内藤知花さん(8): 「さみしくなっちゃったけど、最後にお兄さんとおばあちゃんに会えてよかった」 母・節代さん: 「本当に天使みたいで、素直だしね、本当にかわいくて。『最後の日までファイト』って…」
渋谷美津子さん: 「190円ね、ありがとう」 番台に座る渋谷美津子さん(80)。10年前まで銭湯の向かいでカフェを営んでいました。誘われて3年前から番台に座ってきました。 渋谷美津子さん: 「お客さんも寂しがるけど、こっちも寂しいよと。本当にみんなの憩いの場だからね」
営業時間もあとわずか。節代さんも番台に座りました。 桑沢節代さん: 「きょうは2人、最後だから2人で番台」
隣の松本市から10年以上通い続ける江森俊光さん(52)。 10年以上の常連・江森俊光さん: 「息子が東京へ行って就職しているんですけど、この間、最後だからと帰省した時に寄った。番台のスタッフのおばあさんと記念撮影をして」
親子で思い出をつくり、最終営業にも江森さんだけで駆けつけました。 10年以上の常連・江森俊光さん: 「いつもより長めに入らせてもらったので本当に気持ちよかった。お世話になりました」 番台に座る・渋谷美津子さん: 「こちらこそお世話になりました。いい記念を残していただいてありがとうございました。息子さんにもよろしく言って」