甘くしっとり、魅力香る国産小麦 高タンパクのメリット生かして続々と商品化
■麺づくりに1年
昨年から「美瑛つけ麺」という名のラーメンを提供するのは、静岡県富士市を拠点にラーメン店を営む「たいざんホールディングス」だ。
「ラーメンの材料の中で一番こだわるのが小麦粉。これまでにさまざまな国産小麦を扱ってきましたが、同じ品種でも土地ごとに個性があって、おもしろい。美瑛小麦はやはり高タンパクが魅力です」と、同社代表の影島好美さん(57)は語る。
高タンパクで吸水性に富む半面、「クセが強く、最初は難しいと感じた」と影島さん。水分を抱え込む力を生かして、作りたかったのは「つる・しこ・もち」の麺。つるつるとした喉ごし、しこしこ・もちもちとした食感を生み出そうと、約1年を費やして試行錯誤を重ね、「美瑛つけ麺」が誕生。「らーめん たいざん海老名SA店」(神奈川県海老名市)などで、着実にリピーターを増やしている。
太めの麺はほどよい弾力があり、ホタテのうまみが効いた肉だし汁によく絡む。つるりとした心地よい喉ごしが後を引く。
麺に使う小麦を詳細に尋ねると、「2種類の粉を混ぜていて、『春よ恋』ともう1種類は企業秘密。ですが、食感を楽しみながら小麦の香りとうまみを存分に味わってほしい」(影島さん)。(榊聡美)