ハイエンドな超高級ガレージの世界 愛車を保管・展示する秘密のスペース
ただクルマを並べるだけではない
現在、クラーク氏は6つのプロジェクトを監督しており、さらに2つのプロジェクトが計画中である。同社が英国で手がけた2つのプロジェクトのうち1つは地下にあり、最大100台のクルマを収容できる。 サウジアラビアのジッダにある別の地下プロジェクトでは、50台分の駐車スペースがある。ただし、顧客にとって重要なのは収容可能台数ではなく、クルマの展示方法や展示環境である。 クラーク氏は次のように語る。「わたしはこれまで、テーブルと椅子が置かれたシンプルなスペースにクルマが展示されているコレクションを数多く見てきました。まるでショールームのようです。当社のプロジェクトの1つでは、クライアントがバーとダイニングルームを備えた広いエリアに入り、ターンテーブルに置かれた2台のクルマを眺める。残りのコレクションはスライドスクリーンの向こうにある。クライアントが展示物を管理し、一定の間隔で中身を入れ替えるというアイデアです。つまり、ある週は赤いスポーツカー、別の週はスーパーカー、といった具合です」 スペインのギャラリースペースでは、顧客からシガーバーとゲームエリアのリクエストがあった。「まるで秘密の紳士クラブのようです。当社はコンクリートにソフトレザーを貼った素材を使用しているので、クルマを移動させても傷つけることがありません」 アブダビで手掛けたプロジェクトは、メルセデス・ベンツ300SLの整備とレースを行う会社のワークショップであった。機械、ボディショップ、塗装ベイに加えて、顧客エリアも設置される予定だ。 「UAEではクラシックカーが大変な人気です。最新のスーパーカーに乗っていても、ほとんどの人は気づきませんが、人気のある古いクラシックカーに乗っていれば注目されます」 個人顧客にとっては、クラーク氏の作品は単なるガレージ以上のものだ。「当社のスペースは、クルマのためだけでなく、来客をもてなしたり、リラックスしたりする場所でもあります」 「当社は自動車関連グッズやデザインの業界に多くの人脈を持っており、依頼されたものはほぼ何でも提供することができます。あるクライアントは、所有するフェラーリ・デイトナのシートとまったく同じ椅子を希望しました。また、別のクライアントは、自らのポルシェのエンジン(故障したもの)を壁の装飾として使用しました」