堀江貴文が考える「楽天モバイルの功罪」…巨額の赤字をタレ流してなお“ドル箱ビジネス”を追い求めるのか?
楽天の低価格路線はいつまで続く?
では、今後も楽天モバイルは低価格路線を突き進むのだろうか。残念ながら、答えはノーだ。 それは過去の事例が証明している。ソフトバンクは2006年にモバイル事業に参入した。参入当初は激しい価格競争を仕掛けていたが、いまや「ソフトバンク=安い」というイメージはない。 3大キャリアの一角として莫大な利益を得ている状態だ。参入当初は果敢に値下げを仕掛ける新参者も、シェア数で他社と肩を並べると価格競争をやめてしまうのである。 楽天モバイルがこのさき軌道に乗れば、おそらく現在のソフトバンクのようになるだろう。もし楽天グループの資金が尽き、モバイル事業から撤退すれば価格競争の火は消えてしまう。いずれにしても、一般ユーザーにとって喜ばしいシナリオではない。 となると、一般ユーザーがスマホ利用料を確実に抑える手立てはなんだろう?そう、格安SIM(格安スマホ)である。いまの格安SIMを侮ってはいけない。 ※1 楽天グループ「有価証券報告書(2023年度)」 ※2 NTTドコモ「2023年度決算及び2024年度業績予想について」 KDDI「2023年度 業績分析」 ソフトバンク「2023年度 業績分析(通期)」 ※3 ICT 総研「2024年1月 スマートフォン料金と通信品質の海外比較に関する調査」(2024年1月4日)
---------- 堀江貴文(ほりえ たかふみ) 1972年、福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1,500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『多動力』(幻冬舎)、『時間革命』(朝日新聞出版)、『203510年後のニッポン』(徳間書店)など著書多数。 ----------
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