「なかなか諦めがつかない」結婚3年目で破綻した小島慶子が語った、夫婦関係の難しさ(レビュー)
「なんで結婚したんだろう……」 「夫に、腹が立って仕方がない」 「妻から避けられているのか理由がわからない」 「なんであの夫婦は仲がいいのに、うちはこんなにしんどいんだろう」 【グラフで見る】夫婦関係に関する相談事の2割は「離婚」について、7割を占めたのは? 結婚生活を続けるうちに溜まる不満……不倫や借金などが原因になることもあるだろう。このように理想とした生活が崩れたとき、夫婦はどんな選択をするのか? やっぱり夫婦であることをあきらめるべきなのだろうか? 破綻寸前の夫婦のしんどさに向き合い、その理由と解決方法を著書『夫は、妻は、わかってない。』(ワニブックス)にまとめたのが、夫婦専門のカウンセリングオフィスを主宰し、カウンセラーとして2000組以上の夫婦と関わってきた安東秀海さんだ。 どうにもならないところまできてしまった夫婦は元に戻れないのか? 「エア離婚」という言葉を生み出し、夫婦について綴るエッセイが話題を呼ぶ小島慶子さんが、本作を通して見つめ直した「夫婦の関わり」と「関係の立て直し」とは?
夫婦はいろんな問題がむき出しになる関係
人には言えない夫婦の悩み。もちろん私にもありますとも! よそのご夫婦のカウンセリングの記録には、身に覚えのあるフレーズやエピソードがたくさん出てきます。読みながら密かに胸を撫で下ろしました。ときに荒んだ気持ちになるのは自分だけじゃないのね、と。どうも私の周囲だけなのか、こと夫婦関係の話になると語気の荒くなる女性が多い。みんな色々悩んでいるのです。 夫婦って、いろんな問題がむき出しになる関係ですよね。こんがらがった糸をほぐすには、傷ついている自分や、時には相手を傷つけている自分と向き合わざるを得ないこともあります。 ここに出てくる夫婦たちの会話は、ごくありふれたものです。はいはい、あるあるな夫婦喧嘩。でもそこにカウンセラーが介入することによって、言葉の奥にある問題がくっきりと浮かび上がってきます。興味深いのは、素人目にはもう別れた方がいいよと言いたくなるような夫婦でも、実はうまくやりたいと考えていること。本当はうまくやりたいのにそうできないから、腹を立てているのです。別れたいと思っている時も、もしかしたら「相手が今のままなら」という条件付きかもしれません。