「これがXGのやり方です」――K-POPでもJ-POPでもない「X-POP」、日本人7人組が世界のZ世代に人気の理由
私たちの姿をリアルに届けたい
2022年3月にシングル「Tippy Toes」で世界デビュー。その後、「MASCARA」「SHOOTING STAR」などが次々とヒットし、InstagramやTikTokなどのSNSでもバズり続けた。今年6月にリリースされた「GRL GVNG」が全米ビルボードチャート「Hot Trending Songs Powered by Twitter」(旧Twitterにおけるリアルタイムのトレンドや会話に基づいたチャート)で1位を記録するなど、確実に世界が近づいていると言えるだろう。 メンバーの音楽的なルーツである1990年代のR&Bや最新のヒップホップなどを融合させた楽曲、そして、近未来的とレトロな雰囲気を行き来するビジュアル。XGは自らの音楽的なスタイルを“X-POP”と名づけている。K-POPでもJ-POPでもない、国境を超えたグローバルな音楽という意味だ。新たなスタイルを打ち出せば当然、賛否両論が飛び交うことになるが、そのことに対しても彼女たちは「自分たちのやり方を打ち出すだけ」と強い決意をにじませる。 「自分たちが信じて作り上げてきたものがあるので、“これがXGのやり方です”という気持ちしかないですね」(JURIN) 「楽曲やパフォーマンスを通して、X-POPが伝わっていけばいいのかなって」(CHISA) 「ジャンル、国籍、性別などを超えて、“これが私たちの姿です”というものをリアルに届けたくて。そのことによって、みなさんに勇気を伝えたいと思っています」(COCONA)
週に一度はメンバーだけで「宇宙会議」
今年8月には、アメリカを拠点にアジアカルチャーを世界に発信するレーベル・88risingの主催イベント「Head In The Clouds」に出演。9月には「TOKYO GIRLS COLLECTION」 (さいたまスーパーアリーナ)でパフォーマンスを見せた。さらに、ポスト・マローン、ロビー・ウィリアムズ、カルチャー・クラブなど、計139組のアーティストが出演した「FORMULA1 SINGAPORE AIRLINES SINGAPORE GRAND PRIX 2023」のメインステージにも出演するなど、ライブ活動も徐々に増えている。注目度が上がり忙しくなっても、“その瞬間を楽しむ”“私たちは最高!”という姿勢は全く変わらないという。それを支えているのは、彼女たちが合言葉にしている“へその緒”というワードだ。 「みんなで話しているときに、“私たち、へその緒でつながってるんじゃない?”って冗談みたいな感じで言ったら、“そうだね!”ってみんなが賛成してくれて(笑)。それくらい信じ合えているし、みんなで一つになって夢に向かっているんですよね。ライブの前も、“へその!”“おー!”という掛け声でテンションを上げてます(笑)」(CHISA) 「メンバーとしっかりつながっているからこそ、“私は世界に一人しかいない、特別な存在だ”と思えるんじゃないかなって」(HARVEY) 「練習生の頃は、〈もっと自分に自信を持って〉と言われることが多くて。自分でも〈なんで自信がないんだろう?〉と考えることもあったんですけど、最近は違ってきてますね。HARVEYちゃんが言う通り、〈自分は特別、私にしかない魅力がある〉と信じられるようになったし、そう思えるのはメンバーの力もすごく大きいです」(HINATA)