【京都の人気焼き菓子】隠れ家のような店で身体に優しいケーキやスコーンを
京都生まれ、京都育ちの食いしん坊、京都でおいしいものに出合いたければ、この人に聞けばハズレなし!そんなアマジュンこと天野準子の絶品満腹口福アドレス。2022年以降にオープンした今、注目の焼き菓子店をピックアップ。 【写真】京都でおすすめの焼き菓子
二条城「サイベイクス」
「Saibakes(サイベイクス)」が店を構えるのは、二条城に近い住宅街の路地奥。店前に店名が書かれた小さな額が立て掛けてあるものの、古民家風情をそのまま残す外観は、”店”というより”家”そのものだ。さらに営業は金、土の2日間のみと、隠れ家感も満載だ。
引き戸を開け、玄関で靴を脱いで中に入ると、カウンターの上には、ベイクドチーズケーキやタルト、にんじんケーキなど、焼き菓子が並んでいる。 「菓子は好きなんですが、精製されたものを食べると、身体の調子が悪くなることがあって。そこから材料について調べるようになり、自分の好きな材料で菓子を作るようになりました」と、店主・谷百合香さん。 菓子に使う材料は、国産きび砂糖や種子島の洗双糖、スペルト小麦など、精製されていない砂糖や小麦をはじめ、身体に優しいものをセレクト。
スコーンは、イーストを使わず、酵母を使うことで、時間が経っても固くなりにくく、リベイクしなくてもしっとりいただけたり、ヴィクトリアケーキは、クリームにグラスフェッドバターを使うことで軽やかに仕上げたり、身体に優しいだけでなく、素材の特性の活かし方も秀逸。 「甘すぎたり、重たい菓子が得意じゃなくて」と、谷さんが作る菓子はどれも甘ったるさがなく、軽やかだ。 毎週木曜になると金曜と土曜に店頭に並ぶ菓子がインスタグラムで発表されるのだが、ゴルゴンゾーラのチーズケーキやフェンネルのショートブレッド、ローズマリーとジンジャーのクッキーなど、ハーブやスパイスを使ったり、独創的な素材合わせも人気の理由だ。
取材にうかがった日には、「国産ライムとミントのヴィクトリアケーキ」に遭遇。「今週のヴィクトリアケーキはかなり変化球です」と、谷さん本人が言うように、有機ミントのバターケーキに国産ライムを皮まで使用したライムカードとミントが香るホワイトチョコレートバタークリームをサンド。お馴染みのヴィクトリアケーキとは違うフレッシュ感のある味わいが楽しめる。 焼き菓子=”ほっこり素朴”と想像しがちだが、谷さんの作る菓子はエッジが効いた繊細系で、記憶に残る味わい。季節のフルーツを使ったものも多く、行く度に新しい味に出会ええるのも楽しみだ。
「Saibakes(サイベイクス)」 住所:京都市中京区姉西町42-3 営業時間:金・土11:00~17:00 定休日:日曜~木曜 TEL. なし TEXT BY JUNKO AMANO 天野準子 生まれてこの方、碁盤の目と呼ばれる京都の街中暮らし。雑誌やWEBで京都にまつわるライティングやコーディネートを行っている。プライベートでは、強靱な胃袋を武器に日々、おいしいものをハント