兵庫・三田(さんだ)駅エリアのマンションは”買い”か? 最終局面を迎える駅前再開発事業で多世代が集まる都市を目指す今注目のエリア
JR大阪駅や新幹線停車駅へのアクセスが魅力の三田駅
三田(さんだ)市の主要駅である三田駅は、JR宝塚線と神戸電鉄の2路線が乗り入れている。JR大阪駅まで約45分、兵庫県の繁華街である三ノ宮エリアまでは約50分のアクセスである。 また、新幹線停車駅の新神戸駅まで約40分、大阪国際空港(伊丹空港)まで約1時間のアクセスで、遠方への移動にも悪くない立地と言えるだろう。 また、神戸電鉄公園都市線を利用すれば、三田市が誇る大規模なニュータウンへアクセスできる。「フラワータウン」駅や「南ウッディタウン」駅、「ウッディタウン中央」駅は、三田市のニュータウンに住む市民の足として欠かせない駅となっている。 三田駅前の再開発事業が進行中 三田駅周辺に目を向けてみると、駅前は後に紹介する「三田駅前再開発事業」により近年大きな発展遂げてきた。再開発地区をA、B、C、Dブロックに分け、すでにA、B、Dブロックの事業が完了している。 この再開発事業により、2005年にはAブロックに三田駅前を象徴する「キッピーモール」や駅前広場が整備された。キッピーモールはペデストリアンデッキで三田駅と直結しており、多くの専門店や飲食店が軒を連ねている。 さらに、キッピーモールの南側であるBブロックには、2017年にハートシティと呼ばれる住宅・店舗棟や高齢者施設棟が整備された。Dブロックには2002年に開業したホテルがあり、有馬温泉などの周辺観光を楽しむ観光客で賑わっている。
最終局面を迎えている三田駅前再開発
先述したとおり、三田駅周辺では再開発地区がA、B、C、Dブロックに分けられ、残りCブロックのまちづくり事業が進行中である。Cブロックは三田駅前再開発事業の中心に位置しており、今回が最大のプロジェクトとされている。 現在、Cブロックは老朽化した低層建築物や空き地、雑居ビルや木造家屋などが混在するエリアとなっており、アーケードのある商店街が昔ながらの雰囲気をかもし出している。Cブロックの再開発事業の目的は以下のとおりである。 ⽼朽化し耐震性が不⾜する建築物が密集し、未接道敷地や細分化した敷地が多い本地区を再開発し、建物の不燃化や耐震化による都市の防災性能の向上を図る。交流拠点となるにぎわい広場やシンボルロードとなる通りと連続性のある商業・業務施設、駅近接の良好な住宅など、都市機能を複合的に集積し、既に市街地再開発事業が実施された3地区と⼀体性を図ることで、三⽥市の⽞関⼝における市街地再開発事業の集⼤成にふさわしい街を形成する。 引用:三田市「阪神間都市計画事業 三田駅前Cブロック地区第一種市街地再開発事業」 下の画像は、公表されている三田駅前再開発の完成予想パースだ。 三田市の設計方針によると、三田駅前に幅30mのシンボルロードを軸としたオープンスペースを整備し、既存の街とつながる風景を形成するとのこと。また、多くの世代が集う住環境や商業・業務施設が複合した「三⽥らしい魅⼒ある街」の形成を⽬指すとしている。 具体的には、敷地の南側にコの字の地上20階建て、540戸の住宅棟(分譲マンション)が建設される。また、敷地北側には商業業務棟(商業施設)が配置され、屋外の3階ににぎわい広場、4、5階に緑地を整備し、開放的な空間を形成する予定だ。商業業務棟には物販や飲食などの専門店や医療施設、公益的施設などが入る。さらに、敷地北側には自走式駐車場棟も配置される計画である。 また、駅前の安⼼安全な歩⾏者ネットワークの形成を図るため、AブロックやDブロックを結ぶネットワークデッキが整備される。 Cブロック再開発事業のスケジュール(予定)は以下のとおりである。 ・令和6年7月:施設建築物工事着工 ・令和9年1月:施設建築物(住宅棟1期・商業棟)竣工 ・令和9年10月:施設建築物(住宅棟2期)竣工 引用:三田駅前Cブロック地区市街地再開発組合「事業スケジュール」 Cブロックの再開発事業により、現在営業中のキッピーモールに匹敵する商業施設が開業するため、三田駅前の人の流れが大きく変わることが期待される。 また、540戸の大規模分譲マンションが完成すれば、駅前にもう1つの大きな街が形成されることになる。三田駅前再開発事業がすべて完了すれば、三田駅前が新たな街としてさらなる発展が期待できるだろう。