【甲子園ボウル】鳥内秀晃氏 万全の準備が生んだ好ゲーム 立命大の覇権が続くのではないか
◇三菱電機杯第79回毎日甲子園ボウル 立命大45―35法大(2024年12月15日 甲子園球場) 接戦の好ゲームになり面白かった。そして、こういう作戦があるのかとも驚いた。「準備のスポーツ」、アメリカンフットボール。両チームが準備し合って臨んだと理解できた。 相手守備陣の長所を消し合った。相手守備陣に思うままに動かれるとランもパスも通らない。その効果だろう。両チームで計80点と取り合った。 通常より多い人数でQBへ圧力をかけて攻撃を妨害する「ブリッツ」。法大守備陣の強みに、立命大攻撃陣は隊形のバリエーション、そして選手が集まってプレーを確認するハドルを省く、アップテンポな攻撃で対抗した。これまでやられて困ったプレーを取り込んできたからこそのハイレベルな試合。「分析のスポーツ」とも呼ばれるゆえんだ。 開始早々、立命大RB山嵜君が60ヤードを走りきった先制TDは大きかった。ミルズ杯に輝いたように、えげつないランナーだ。バランスが良くてこけないし、視野が広くて逆を突くのがうまい。1人じゃ止められない。 こういう選手と日々練習すると後輩も育つ。関西では立命大の覇権が続くのではないか。母校・関学大は大丈夫だろうか。加えて、こんな好ゲームが地上波放送で流れなかったのは残念だ。(関学大前監督)