メタの新型ゴーグル端末「Quest3」発売、部屋に地球外生命体?MRゲームを体験 【速報レビュー】ヒット商品の後継機、アップルと対決へ
一方で、映像の種類によるとみられるが、クルマ酔いに似た「VR酔い」も感じた。記者は当初、レッドマター2を立ってプレーしていたが、そのうち足がフラフラしてきて、椅子に座らせてもらった。ゲーム終了後も気分の悪さがしばらく残った。自分の頭で想像する歩くスピードとゲーム映像の進み方のギャップや、映像の場面転換の仕方などが原因のような気がした。 メタの担当者に体験会で聞いてみると、メタはVR酔いに対する改善に取り組んでいるという。クエスト3では、視覚的に映像をよりクリアにすることや、端末の付け心地の良さを具体例に挙げた。 しかし、記者が体験したようにVR酔いを完全に防げるわけではない。VR酔いは個人差もあるので、特にクルマ酔いに弱い人は、動きの激しいゲームなどは気をつけた方がいいだろう。 ▽アップル後継機と対決へ 体験会の会場は、結婚式場としても使われる東京都渋谷区にある施設「TRUNK BY SHOTO GALLERY」。れんがなどが施された内装は「インスタ映え」した。 体験会では冒頭、メタのマーケティング責任者の女性がプレゼーテーションを行った。歴代のクエストシリーズを振り返り、ヘッドセット本体はパソコンやゲーム機といった外部端末と接続しないで使用できるコードレスで、電池は内蔵され、手頃な価格に抑えているという利点をアピールした。
メタの説明を聞いて意識させられたのは、来年初頭に米アップルが初めて発売するゴーグル型端末「ビジョンプロ」だ。視線や指の動きで直感的に操作できるという高い評判の一方、電池は外付けで、販売価格は50万円程度(日本円換算)もする。 記者は、アップルが2025年以降に発売するとみられるビジョンプロの廉価版か後継機で、メタのクエストシリーズと競合すると予想している。アップルはこれまで、価格を抑えた高性能の新機種を投入することで、消費者にお得な印象を感じさせて販売を拡大してきた。 ゴーグル型端末市場は新しい市場とはいえ、メタはアップルと比べ一日の長がある。社運をかけて社名まで変えたメタにとっては負けられない戦いになる。 VRやMRは、ゲームに限らず、ビジネスでの利用も始まっている。巨大テック企業による未来を切り開く開発競争を期待したい。