『せっかくグルメ』『いくらかわかる金?』平野亮一氏が意識する“人”の面白さ 「明石家さんまを笑わせる」中で学んだ原点
――スタジオの設楽さんの役割も大きいですよね。 設楽さんには「この日村さんを面白がるんだ!」という驚きがありますよね。駐車するときの顔が変とか、降りるときにつらそうにしてるとか、そういうことを設楽さんの目線で言うことで、VTRが何割増しで面白くなることがたくさんあります。お店の紹介でお客さんにインタビューした時に、渋い感じのおじいさんが「このお店はうまいんだ」と言うと、設楽さんが「このお父さんが言うなら間違いないよ」と言ってくれたり、目線とかノリをすごく作ってくれるんです。ただ「おいしそう」とか「面白いね」だけじゃなくて、設楽さんのエッセンスと角度のあるコメントで、番組がより面白くなっていると思います。 ――VTRの日村さんとコンビネーションを発揮するときもありますよね。 日村さんが沼津でろばた焼きを食べていた時に、「これはあの飲み物が合うよね」って振ったら、スタジオの設楽さんが「コーラだね」と答えて、日村さんが「コーラじゃねえわ! ビールだろ!」って、見事な間合いでやり取りする形になったんですよ。 ――あれはミラクルでした(笑) スタジオでは2人でずっとふざけてて、すごいなあと思います。バナナマンさんの魅力はやっぱりそこにあって、2人でずっとくだらないことを言い合ったりして、本当に子どもみたいなんですよ(笑)。実はちゃんとしてそうな設楽さんのほうが少年の心を持ち続けているところがありますよね。 ――日村さんのロケには全部立ち会われると聞きました。総合演出の方がロケにも行かれるのはあまりないと思います。 この番組は台本がなくて本当に成り行きでやっていくので、やっぱり現場でジャッジしないといけないことが出てくるんです。“ここが面白いポイントだな”というのが現場にいないと分からないこともあって、そこを見逃したくないので行ってますね。それと複雑なくだりがあって、「編集上こうしていくつもりなので」というのを日村さんに伝えることもあるので。 ――地方のお店を紹介するグルメ番組という点で、『オモウマい店』(中京テレビ)は意識されますか? 『オモウマい店』はお店の人が主役ですが、僕らどちらかというと旅番組っぽいのかなと思うんです。日村さんを筆頭に俳優さんやギャル曽根さんもそうですけど、行った人が楽しみながら食べて満喫してる感じが見どころなので、意識は全然してないですね。