『せっかくグルメ』『いくらかわかる金?』平野亮一氏が意識する“人”の面白さ 「明石家さんまを笑わせる」中で学んだ原点
■優しい同士で譲り合う…ハライチ澤部&杉山アナのMC ――MCはハライチの澤部佑さんと杉山真也アナウンサーですが、相性はいかがですか? 2人とも特番の時がほぼほぼ初めましてだったんですけど、すごく相性がいいですね。杉山は同期なんですけど、優しくていいやつなんですよ。澤部さんも優しい人なので、優しい人と優しい人が組んで、互いに支え合って譲り合ってる感じいいですよね。この前、澤部さんと杉山と食事に行ったんですけど、2人で褒め合ってましたから(笑)。「ほんと杉山さんのそういうところがすごいですよね」「澤部さんのあそこが素晴らしかったですよ」って。 それと、2人ともやる気に満ちあふれてる感じがするんです。澤部さんはいろんな番組でMCをやられていますが、ゴールデンのレギュラーで相方さんがいない状態はないと思うので、そのやる気が番組のパワーにつながっていると思います。 ――杉山さんは、バラエティ初MCでしょうか? そうだと思います。うちのアナウンサーでやってるのは、安住(紳一郎)さんと江藤愛くらいしかいないですからね。 ――人柄と実力を信じて起用されたんですね。 入社18年目なんですけど、17年間修業を積んできているので、確かな腕があるというのは分かっていたんです。『感謝祭』のマラソンの実況も、僕が総合演出のときに杉山に任せたら、そのときもすごく仕事熱心で、出場者の情報をいろいろ調べて本番に臨んでくれて、やっぱり信頼できますね。 ――レギュラーがスタートして1クール経ちましたが、ここまでの手応えはいかがですか? ありますね。ちょっとずつですけどいろんな企画がやれていますし、視聴率的にも一応恥ずかしくない程度の数字はとれているので。
番組タイトルで“洗脳”するテーマ曲
――“人”の面白さという点以外での番組制作における共通のこだわりを伺いたいのですが、平野さんの番組といえば『せっかくグルメ』で「Zip-a-Dee-Doo-Dah」、『わかる金?』で「聖者の行進」、『ベスコングルメ』で「リパブリック讃歌」と、古き良きアメリカの名曲の替え歌をテーマ曲にしていますよね。 最初は『せっかくグルメ』の特番だったんですけど、1回のOAで終わっちゃうのでちょっとでも番組の印象を残したいなと思ったんです。それまでだったら『(東野・岡村の)旅猿』(日本テレビ)で奥田民生さんの曲を使うとか、『めちゃイケ(めちゃ×2イケてるッ!)』(フジテレビ)でJUDY AND MARYさんの曲を使うといった印象に残る方法があったんですけど、もっとやり方がないかなと思ったんです。 それで当時、レイザーラモンRGさんの「あるある早く言いたい」が流行り始めた頃だったんですけど、ずっと同じこと言ってるじゃないですか。あんな感じで、ずっと番組タイトルを言いまくる曲が作れないかなと思ったんです。『せっかくグルメ』はあのディズニーの曲が好きだったので、タイトルを連呼しつつ、歌詞にもなってる曲を作ったら、やっぱりみんな「歌いいよね」とか「あの歌なんだ?」「誰が作ったんだ?」みたいな反応になったので、そこから番組を立ち上げるごとに曲を作っています。 ――元はみんなが知ってる曲ですし、Dreamers Union Choirさんのコーラスも耳に残ります。歌詞は平野さんが考えているのですか? はい。だいたい40秒くらいの尺で、それをループできるようにしてるんですけど、完成するのに1か月くらいかかりますね。どこかに発表するわけじゃないんですけど、ちゃんと意味になっているかとかを考えて、出社する時や風呂に入ってる時に作っています。 これも、『からくりTV』での経験が生きているんです。「芸能人替え歌王決定戦」の担当ディレクターもやってて、演者さんと相談しながら歌を作っていくんですけど、その時に歌詞をどう曲にはめていくかというのをやっていました。 ――OAでは事あるごとに流されていますから、効果も絶大ですよね。 放送中にタイトルを聴かせ続けて、言葉は悪いですけど洗脳していく作戦です(笑) ――ほかにも、平野さんの担当番組は、収録時のスタジオがかなり盛り上がると伺いました。その空気づくりは、かなり意識されていますか? VTRもスタジオ展開も出演者を楽しませる、盛り上げることをかなり大事にしながら演出を考えています。まずは出演者を楽しませないと、その先にいる視聴者は楽しめないと思うんです。あと、僕が視聴者だったとき面白いと思っていた番組はすべて出演者が楽しそうにしていたんですよね。それが魅力的に見えたというか。テレビっていいなと。だから僕の番組でも大事にしていきたいと思っています。