「1日の始まりこそ、たんぱく質ファースト」カラダが最もたんぱく質を欲している朝に食べるべきものとは
午後の眠気はなくなる
朝食においては、高血糖を防ぐことも大切です。空腹で迎えた朝は血糖値が上がりやすい状態です。そこにいきなり糖質を取り込むと、血糖値は急上昇します。 血糖値は、朝急激に上がると昼も上がりやすくなるという特徴があります。甘いドリンクや菓子パンはもちろん、食パンだけ、塩むすびだけ、素うどんだけを食べた場合も同じことが起こります。朝の高血糖を引き金に、午後も高血糖が長時間続き、体への負担が高まり、腸漏れ(リーキーガット症候群)の原因になるのです。 だから、朝こそたんぱく質ファースト! 朝食でたんぱく質を強化し、炭水化物の摂取量を少なくすることで、昼食後の高血糖も抑制できるのです。1食目の影響が、2食目に及ぶことから、これを「セカンドミール効果」と呼びます。 もし昼食後、急激な眠気に襲われることがあるなら、それは血糖値の乱高下による眠気かもしれません。ぜひ一度朝食をたんぱく質中心に切り替えてみてください。 きっと、高血糖が改善され、血糖値の乱高下からくる午後の眠気はなくなり、朝食のたんぱく質ファースト化による「セカンドミール効果」を実感できるはずです。 食事は1食で完結しているわけではなく、自分の体の中で数珠つなぎのように影響がつながっていきます。その仕組みを上手に活用するのがセカンドミール効果なのです。
セカンドミール効果による好循環
セカンドミール効果による好循環は次のとおりです。 朝食で炭水化物を控えめにして、たんぱく質をしっかり摂る→血糖値の急上昇を阻止!→昼食後の血糖値の上昇もゆるやかになる→昼食のごはんをある程度食べても大丈夫! セカンドミール効果は、自分で血糖値をコントロールし、好循環を生み出す技です。「1日の始まりこそ、たんぱく質ファースト」。この技をぜひ使ってみてください。 また、冷え性の人は、朝食でたんぱく質が十分に摂れていないことが多いと感じます。朝は体温が上がる時間です。そのタイミングに、たんぱく質が不足していると体温は上がりません。 たんぱく質は消化吸収されるときに多くの熱を生み出します。食事によって生まれる熱は「食事誘発性熱産生」と呼ばれ、たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%といわれています。 つまり、三大栄養素のうち、最も熱を生み出すのはたんぱく質。朝の体温上昇のスイッチオンに、そして冷え撃退にたんぱく質が必須なのです。 写真/shutterstock