【酒屋と飲食店のおいしい関係vol.1】隠れ家『からふぇDINING』で呑む、“浜千鳥 山廃仕込純米酒”の旨さ
●川崎においしいお酒を扱う酒屋があります。
蔵元の情熱とこだわりを深く理解し、酒一滴一滴に込められた物語を感じ取る。味と風味を熟知し、来店する地元の人や飲食店の好みに合わせたお酒を提供する酒屋、「地酒や たけくま酒店」。川崎の日本酒を扱う飲食店界隈では有名な、こだわりの酒屋です。 酒屋と飲食店のおいしい関係「からふぇ DINING」の関連画像 「地酒や たけくま酒店」」の2号店となる元住吉店店長・佐藤温志さんは、一つ一つの銘柄を丁寧に説明してくれます。「この酒は、冷やしても温めてもおいしいんですよ。特に夏の夕方、冷やして飲むと最高です」と微笑む彼の姿からは、お酒に対する愛情とこだわりがひしひしと伝わってきます。 "こだわりの酒屋はおいしいお酒を知っている、おいしい飲食店はこだわりの酒屋からお酒を仕入れているはず"という仮説から佐藤店長に相談して実現した、地域に根付いた酒屋と飲食店のおいしい関係を発掘する本企画。
第一回は佐藤さんと、東急東横線元住吉駅より徒歩8分程の住宅街にひっそりと佇むカウンター10席の居酒屋『からふぇ DINING』からお届けします。 紹介するお酒は日本酒「浜千鳥 山廃仕込純米酒」。岩手県釜石市に蔵元があります。
食事とともに楽しみたい「浜千鳥 山廃仕込純米酒」
創業約100年、川崎を拠点に日本酒・地酒を専門としてから40数年営業してきた『地酒や たけくま酒店』。元々懇意だった元住吉の石澤酒店が閉店すると聞き、その地場を引き継ぐカタチで2号店となる元住吉店をオープンしたのが2020年。「浜千鳥 山廃仕込純米酒」は佐藤さんにとって思い出深いお酒だと言います。
「石澤酒店さんが広めたと思うんですけど、この辺りには『浜千鳥 本醸造』を仕入れていた飲食店さんが多かったんです。元々お付き合いがあった蔵元ではなかったのですが、たけくま酒店に変わったからといって、このお酒を扱わなくなってしまうのは、町にとっても飲食店さんにとっても良くないんじゃないか、という気持ちがありました」 「浜千鳥」を扱うからには、どういう蔵元でどういうお酒があるのか、季節酒含め様々な種類を仕入れた。 「派手なお酒ではないんです。ですが、食事と合わせても馴染むお酒で、流行には乗らないけれども日本酒として正当な味わいを持っている酒だと感じました。特に『浜千鳥 山廃仕込純米酒』は食中酒として、とてもいいと思ったんです」 「山廃仕込み」とは空気中から取り込んだ天然の乳酸菌の力により、酵母を純粋に育て、力強い酒母をつくる伝統の手法。独特の酸味、飲みごたえのある味わい、キリッとした後口が特徴とのこと。