SNSで話題の【風呂キャンセル界隈】不潔ではなく、実は皮膚に良い?医師が実際にやってみた結果…
有名ギャルタレントもメディアで公言し、SNSでトレンド入りを果たした「風呂キャンセル界隈」というワード。言葉の通り、お風呂に入らない、入浴しないことを指す、ネットスラングです。多くの人の反応は、汚い、不潔、ニオイそうというものが多いのですが……なんとある医師からは、180度違った意見が! 実際に、ご本人の体で実験した結果をお伝えします。 【写真で見る】「風呂なし・シャワーレス生活」スタートから7ヶ月が経過した7月31日に撮影された平岩医師の足裏。 ■お風呂が肌を弱らせている? 私たち日本人にとって、お風呂は毎日の習慣であり、日々の疲れや汚れを洗い流す、憩いの場。しかし、見方によっては、皮膚のバリア機能を失う行為でもあるのです。 入浴中は、洗顔料、ボディーソープなどの化学的刺激に加え、タオルや指先などの摩擦刺激が全身にかかってきます。そのせいで、角質層のうるおい天然成分が失われ、肌が乾燥したり、刺激に弱いデリケートな肌質になる人も。 この視点から見ると、「風呂キャンセル界隈」は、汚肌を作るどころではなく、皮膚のバリア機能を守る究極の方法である、というわけなのです。 ■実際に8ヶ月「風呂キャンセル界隈」してみた 皮膚・形成外科臨床医である平岩亮一医師は、この「風呂キャンセル界隈」を実行し、「皮膚バリア機能を最大値にした時、何が起こるのか?」を調査。ご自身の体を使って、なんと8ヶ月間も実験されました。 <8ヶ月間、実験の条件> ・風呂とシャワー、なし ・頭皮のみ、10日1度洗面台にてシャンプー *炊事や仕事に関する際、生活や業務に支障が出ないよう、水やエタノール等を使うが、洗剤は不使用。 ■実際、8ヶ月間「風呂キャンセル界隈」した結果…… なんと皮膚のバリア機能は高まり、肌荒れのしやすさを解消することを実感されたそうです!「肌を健やかに保つために、風呂に入るのは常識」というのは、今までの凝り固まった概念でしかなかったことがわかりました。 ■でもやっぱり、デメリットもあり 肌を育てる、皮膚のバリア機能を高めるために「風呂キャンセル界隈」は、とても有効な手段です。でも当然、デメリットも。 平岩医師曰く ①汗と皮脂のせいで、ニオイやかゆみが出る ②皮脂のベタつきにより、肌が気持ち悪い この2つはまさに、私たちが「風呂キャンセル界隈」に思うイメージそのもの。ですが、驚いたことに、水虫や性病などへのリスクは増加しないのだとか。皮膚バリアがしっかりするせいで、真菌感染症は起こりにくいのだそうです。 肌荒れが続いているときは、あえて「風呂キャンセル界隈」をするほうが、かえって自己回復が早くなるかもしれません。まさかの引き算ケアで、皮膚のバリア機能をしっかり回復させてあげましょう。不潔の代名詞として使われる「風呂キャンセル界隈」も、見方を変えれば、究極の美を追求する行為になるなんて、面白いですね。 ■■教えてくれたのは…平岩亮一先生 形成外科、皮膚科、未病医学を専門とする医師。国内外13もの特許技術を院長自らが取得するなど、先進的でオリジナルの治療を行なうクリニック「にっしん皮フ科・形成外科」理事長。ニキビや湿疹、皮膚炎、外傷などの病気やけがを、できるだけ早く、そして美しく治療することに努めている。 構成・文/池田ゆき
ヨガジャーナルオンライン編集部