（写真：PHILE WEB）

ソニーは、同社完全ワイヤレスイヤホン “LinkBuds（リンクバッズ）” から、軽い着け心地の新デザインを採用したアクティブノイズキャンセリング（ANC）／外音取り込み搭載モデル「LinkBuds Fit（WF-LS910N）」を11月15日（金）に発売する。価格はオープンだが、市場では税込30,000円前後での実売が予想される。 快適な着け心地や長いバッテリー持ち、音楽を聴きながら周囲の物音にも気を配れるながら聴き設計などにより、“常時装着” していられるLinkBudsシリーズの新モデル。LinkBuds Fitは、既存モデル「LinkBuds S」と同様の密閉型でありながら、異なるデザインを採用した上位モデルの位置づけとなる。 ■“密閉” と “セミオープン” のいいとこ取りをした新装着感 LinkBuds Fitの最大の特徴は、イヤーピースを用いて耳栓のように耳を塞ぐ “密閉型” と、イヤーピースを使わず耳のくぼみに引っ掛けるようにして着ける “セミオープン型”、2タイプのイヤホンのいいとこ取りをしたという、新しい装着感にある。 LinkBuds Openのハウジングは、同じ密閉型の既存モデルLinkBuds Sに比べて扁平で、イヤーピースは短い。加えて、耳の上部のくぼみに引っかかる「エアフィッティングサポーター」を新装備。空気のクッションを作り出す中空構造と適度な柔らかさによって幅広い耳の大きさに対応し、ハウジングを固定できるという。 こうしたデザインにより、LinkBuds Sと比べ、耳のはるかに浅いところでフィットするつくりとなっている。耳の奥まで押し込むため安定する代わりに圧迫感のある密閉型と、耳の入口で固定する代わりに装着感の心もとないセミオープン型、お互いの良いところだけを取り入れたということだ。 ハウジング自体の重さも、同社の完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM5」より軽く、LinkBuds Sとほぼ同等の約4.9gを実現。体積はサポーターの分LinkBuds Sよりもやや大きいが、WF-1000XM5よりも約10％小型に収めている。 音質／ANC処理／ワイヤレス接続をつかさどるプロセッサーには、WF-1000XM5と同じ「統合プロセッサーV2」を採用。ドライバーユニットも1000XM5と同じ自社開発の「ダイナミックドライバーX」を搭載した。音質とANC性能の向上は当然ながら、外音取り込み機能においては「同社完全ワイヤレスイヤホンの中で最高」の性能を実現したという。 ANC／外音取り込みは、効果量を自動で最適化する機能に対応。ANCは装着状態／周囲の環境に合わせてノイズ低減効果の強さを調節する「オートNCオプティマイザー」、外音取り込みは周囲の騒がしさに合わせて取り込み量を調整する「自動外音取り込み」を備えている。 通話品質も、AI技術によるノイズ低減アルゴリズムを改善。マイクの配置や形状も、風が吹き付けることで生じるノイズを低減するよう配慮されている。 機能面についても充実させており、まず操作系として独自の音声コントロールを搭載した。「ハローヘッドホン」といったウェイクワードを話しかけることで、音量調整、音楽再生コントロールなどが行えるという。また、シリーズ初代モデル「LinkBuds」と同様の「ワイドエリアタップ」機能を搭載。イヤホン本体だけでなく、耳の周りのタップも検知して各種機能を呼び出すことができる。 GoogleアシスタントやAmazon Alexa、頭を振る動作で着信応答などが操作できる「ヘッドジェスチャー」、イヤホンを着けたまま会話を開始すると自動的に音楽を消音／外音取り込みモードに切り替わる「スピーク・トゥ・チャット」、Android端末やWindows端末と簡単にペアリングできる「Google Fast Pair」「Microsoft Swift Pair」などの機能も引き続き対応している。 音質面では、音楽のながら聴きをさらに促進する「BGMエフェクト」機能が備わった。カフェや公共施設で流れるBGMのような響きを再現するサウンドモードであり、アプリから数種類の部屋の広さ＝音の響き方を選択できる。 圧縮音源をハイレゾ相当にアップスケーリングする「DSEE Extreme」や、立体音響の360 Reality Audio、ヘッドトラッキング、対応する音楽ストリーミングサービスをシームレスに再生するQuick Accessなどもサポート。BluetoothコーデックはLDAC／AAC／SBC、そしてLE AudioのLC3も出荷時からサポート。なお同社によれば、発売後のソフトウェア・アップデートにより、Google Fast Pairでのペアリング時に初めからLC3コーデックで接続可能になる予定とのことだ。 バッテリー持ちは、イヤホン単体で約5.5時間（ANCオン）／約8時間（ANCオフ）。ケース併用では約21時間（ANCオン）／約30時間（ANCオフ）となる。急速充電に対応し、5分の充電で約1時間再生が可能だ。イヤホン本体はIPX4相当の防滴性を備え、また同時に2台のデバイスと待ち受けできるマルチポイント接続が利用できる。 ■カスタマイズ用の純正アクセサリーも発売 また専用の別売ケースカバー（税込約3,000円前後）と、フィッティングサポーター（税込約2,000円前後）をラインナップ。完全ワイヤレスイヤホンのユーザーの7割が、ケースにシールを貼ったり、ストラップを付けるなどカスタマイズを行っていることを受けたもので、ケースカバー／サポーターそれぞれ5色ずつ（アッシュグリーン／アッシュブルー／アッシュバイオレット／アッシュピンク／アッシュブラック）を用意する。 特にケースカバーは上下で分かれた2ピース構造となっており、1人で2セット購入する、あるいは友達や家族と片側ずつ交換しあい、異なる色をミックスするアレンジも可能だ。またソニーストア限定で、2色混合セットを販売する予定もあるとのこと。 ■専用スマートフォンアプリが「Sound Connect」にリニューアル さらに本製品の発売にあわせ、ソニーBluetoothヘッドホン／イヤホン用のスマートフォンアプリ「HeadPhones Connect」のリニューアルも行われる。 名称は新たに「Sound Connect」となり、アイコン、UIも刷新。トップ画面はよりシンプルで分かりやすく改善し、チュートリアルやTipsも充実。よく使う機能へのショートカットも設定可能になるとしている。