ホンダ「フリード」の新型が8年ぶりに登場! どう進化した? 実車を確認
■水平基調デザインのメリットとは? インテリアについてもシンプルで扱いやすいということに重点が置かれている。特に、運転席からの視界の良さにはこだわったそうだ。ダッシュボードには突起や出っ張りがなく、すっきりとした水平基調を採用。運転席や助手席はもちろん、2列目以降のシートに座っても見晴らしがよく、明るくて開放的なデザインとなった。 車幅を把握しやすいよう、Aピラーの位置も工夫しているという。また、運転席に座ったときのアイポイントを高めにすることで、死角を軽減し、ドライバーの不安を払拭できるように配慮したとのことだ。
中でも評価したいのがリアクォーターウインドウ(3列目ウインドウ)だ。2代目フリードではほぼ三角形に近い窓で、小さくてあまり開放的とはいえなかった。それが新型フリードでは、水平基調のデザインを採用したことで、リアクォーターウインドウが大きな四角形になり、車内が明るく開放的になった。その恩恵は3列目に乗車すると最も強く体感できるのだが、ドライバーがバックする際にも、後方感覚を把握しやすくなった。単にデザイン上の変更にすぎないかもしれないが、とてもメリットが大きい進化点といえる。
新型フリードは荷室も改良されている。 3列目シートを使わないときはシートを跳ね上げて収納し、空いたスペースを荷室として使用できるのは2代目と変わらないのだが、2代目フリードは跳ね上げたシートがリアクォーターウインドウを完全に塞いでしまっていた。せっかく大きく開放的になった新型フリードの窓をシートで塞いでしまっては意味がない。そこで、新型フリードでは跳ね上げたシートの固定位置を低くなるようにして、リアクォーターウインドウを完全に塞がないように改良した。荷室を少しでも広く確保できるよう、シートの厚みを抑えコンパクトにする工夫もなされている。
3列目シートを跳ね上げるのではなく、2列目シートの下に滑り込ませるように格納してしまう方法を採用している他メーカーのミニバンもある。この点について担当者は、「新型フリードでも、3列目シートを床下に格納する方式を検討したことがありました。しかし、それだと荷室の高さがどうしても高くなってしまうんです。例えば、自転車やクーラーボックスなどを積み込む際、『フリードは低いので楽ですね』という声を多くいただいていました。こうしたお客様から好評をいただいている点は残したかったので、あえて3列目シートは跳ね上げ式を採用し、荷室が高くならないようにしているんです」と説明してくれた。