ホンダ「フリード」の新型が8年ぶりに登場! どう進化した? 実車を確認
シンプルなラインアップとしたことを開発責任者は強調していた。確かに、先代モデルには選択肢がたくさんあった。7、6人乗りモデルの「フリード」のほかに5人乗りモデル「フリード+」があり、それぞれにアウトドアスタイルの「CROSSTAR」があって、さらにフリード、フリード+、CROSSTARそれぞれに車いす仕様、サイドリフトアップシート、助手席リフトアップシートといった福祉車両が用意されるといった具合だ。 今回のフルモデルチェンジでは、6、7人乗りモデルの「フリード AIR」と5、6人乗りモデルの「フリード CROSSTAR」というシンプルな構成にした。またAIRでは、福祉車両の設定がなくなった。非常にわかりやすいラインアップだ。 実際、販売店に話を聞くと、2代目フリードの購入を検討する来店客が複雑なグレード構成でかなり迷うケースがあったという。筆者の親族もフリードを購入する際、どの仕様を選ぶかでかなり迷っていた。ラインアップをシンプルにすることで、迷わず購入を即決することにつながるというメリットもあるだろう。 新型の発売時期については「そう遠くない時期」、価格については「現行型より少し高くなるかも」という話を聞くことができた。 ■エクステリアはステップワゴン似? では、新型フリードはどのように進化したのか。エクステリアから見ていくことにしよう。 初めて新型フリードの実車を見た瞬間には、「シンプルであっさりした外観だ」と感じた。長く乗るには飽きのこないシンプルなデザインがいいというのは当然だし、こうしたエクステリアの変更には大賛成だ。真横から見ても、水平基調ですっきりとした印象がある。
フロントフェイスは無駄な要素を省き、凛とした表情になるようにしたという。リアについても同様にシンプルな仕立てで、運転席から後方を見たときにも広い視界を確保できるよう、グラスエリア(リアガラス)を大きくとっているそうだ。さらに、広い室内空間をしっかりと支えるスタンスを表現するため、真後ろから見たときに台形フォルムになるようにまとめている。 車体をぐるりと一周しているキャラクターラインも水平になっており、そのライン上にドアハンドルを配置することでシンプルさとクリーンさを際立たせたという。 フロントフェイスのデザインやシンプルなキャラクターラインは、フリードの兄貴分にあたる「ステップワゴン」に似ているようにも思った。あえて似せるようにデザインしたのか担当者に聞いてみた。 「ステップワゴンのデザインに寄せたわけではありません。我々ホンダが考える、シンプルで扱いやすいこと、安心してお乗りいただけること、これらを追求した結果、このデザインにたどり着きました。そもそも開発コンセプトがフリードとステップワゴンでは異なるので、ステップワゴンに似せたわけではありません。しかし、ブランドとしての統一感が出たデザインにできたことはよかったと思っています」