初戦6-0も、「自分たちの流れが全く作れなかった」阪南大高は3回戦敗退。現実を受け入れ、今後の糧に
[1.2 選手権3回戦 東福岡高 1-0 阪南大高 駒場] 阪南大高(大阪)は、入りの悪さが響いた。立ち上がり、初戦2ゴールのFW硲冬真(3年)が左サイドからドリブルでゴール前まで切れ込み、硲やMF三浦悠人(2年)がシュートへ持ち込もうとしたシーンがあった一方、東福岡高(福岡)MF神渡寿一(3年)のドリブルや1トップのFW伊波樹生(3年)への対応が後手になるなど、バタバタした中で8分に先制点を許してしまう。 【写真】「イケメン揃い」「遺伝子を感じる」長友佑都の妻・平愛梨さんが家族写真を公開 前半半ば頃まで攻守ともに落ち着かない展開。前半19分にMF柏大輝(3年)を投入し、硲を左サイドから最前線へ移して変化を加えようとしたが、単調なロングボールは高さのある相手DF陣に跳ね返されてしまう。後半開始から“切り札”のMF伊藤成康(2年)を左サイドに投入。ただし、サイドにボールが入った時には常に相手DFの距離感にあるような状況だった。また、プレスバックを徹底する相手に苦しみ、打開することができない。 守備面では前半39分にGK沖見駿介(3年)が連続でビッグセーブ。MF福本一太主将(3年)が得意の奪い返しを見せたほか、CB弥栄琉(3年)やCB上田蒼太(3年)らDFラインも水際のところで踏ん張り、相手の追加点を阻止していた。 だが、隙なく守る東福岡からチャンスらしいチャンスを作ることができない。セットプレーを数本獲得はしていたものの、公式記録上のシュート数はゼロ。濱田豪監督は「本当に試合通じて自分たちの流れが全く作れなかった。(東福岡が)色々な対策を取って来るのは分かってたんで、それをこじ開ける力を持たないと勝てないっていうのは凄く分かって試合に臨んだんで、本当、力で負けて完敗だと思います」と敗戦を認めていた。 押し込まれる展開になることも想定していたが、何より無失点で試合を進めたかった。だが、立ち上がりに失点したことで相手がより守りやすい状況に。濱田監督は「今も(ロッカールームで)話してたんですけど、そういう自分たちの弱さっていうか、こういう舞台でこういう結果になったことを受けてちゃんと見つめないと、また同じことしてたんじゃ、同じ結果になるんじゃないかなと思います」と指摘する。追いかける展開の中、工夫して攻めることもできなかった。 2日前の初戦では、新潟県予選でインターハイ3位の帝京長岡高を倒して勝ち上がってきた新潟明訓高に6-0で大勝。V候補の大津高(熊本)を2-1で破ったインターハイに続いて好スタートを切った。だが、2回戦で敗れたインターハイ同様、今回も2試合目で敗退。激戦区・大阪の王者は、思い描いていたような結果を残すことはできなかった。 濱田監督は、選手たちに向けて「『現実ちゃんと受け入れなさい』、と。彼らを否定するつもりはないですけど、こういう自分たちの良さを出せない試合になるってことは、同じことを普段してたんではいけない。それをサッカー、(また)自分の道でちゃんとこういう経験を活かさないとっていう話はしました」。卒業する3年生、1年後を目指す1、2年生も、今回の敗戦を今後に活かす。