外国人観光客が日本ならではのサービスを活用 日本人も真似したくなる旅のライフハックとは
日本政府観光局の発表によると、今年10月までの訪日外客数は累計で3019万2600人。1964年の統計開始以来、最速で3000万人を突破しました。日本で快適な旅を楽しむために、外国人観光客はどんなサービスを利用しているのでしょうか。インバウンド向けサービスを拡大している、ヤマト運輸株式会社のネコサポ事業開発部長・金子宏昌さんにお話を聞きました。 【写真】「ここまでくると『仕入れ』」 空港受け取りで運べた一時帰国の日本人の「食料品爆買い」 実際の投稿 ◇ ◇ ◇
「フランス人ご夫婦が、口コミを見て…」
「各国の旅行者用コミュニティサイトで、当社のサービスに関する口コミが増えているようです。そうした情報をご覧になって、いらっしゃる外国人観光客も多く、先日も新婚旅行で来たフランス人ご夫婦が『口コミを見て利用したいと思った』と話されていました」という金子さん。 同社は、日本国内では宅配便最大手ですが、24の国と地域に拠点があるとはいえ、海外での認知は高くありません。そうしたなか、現在はインバウンドの利用者をメインに、空港やターミナル駅、人気の観光地など一部の営業所で、手荷物の当日配送や一時預かりサービスを行っています。 金子さんは、外国人観光客向けに事業を強化した理由について、各地で起きているオーバーツーリズムに着目したと説明。 「外国人旅行者は短い滞在期間に、東京から大阪、京都、広島、金沢など各地をめぐります。長距離移動や観光地へアクセスする際、人だけでなく荷物も一緒に移動することで、より混雑が起きやすい状況に。人と荷物を分けることが、そうした課題解消につながると考えました」 以前から、ゴルフやスキーなどの道具を、宿泊先やレジャー施設、空港宛に配送するサービスを展開してきた同社。空港とホテル間などの手荷物の当日配送ほか、コインロッカーだけでは解消できていないターミナル駅や人気観光エリアで、営業所での一時預かりが外国人観光客に活用されているといいます。
日本ならではの接客に驚く外国人観光客
当日の手荷物配送は、たとえば羽田空港で午前11時までに荷物を持ち込めば、都内のホテルに午後6時以降に配送。大きなスーツケースから解放され、到着してすぐに観光が楽しめます。 金子さんは、「メリットは荷物を取りに戻る必要がなく、時間を有効利用できる点です」と利便性を説明。さらに外国人利用者には、日本のホスピタリティを感じる場にもなっているそう。 「日本ならではの正確性や接客に、驚かれることが多いですね。お約束の時間通り、ホテルへ荷物が届くことに感心されます。また、窓口で荷物が雨に濡れていた際、スーツケースを拭いて保管する様子をご覧になって『感動した』とおっしゃる方も少なくありません。そうしたサービスに触れて、帰国前にわざわざお礼を言うためだけに、立ち寄ってくださる方もいます」