空腹じゃないのに"爆食い"してしまう…「エモーショナルイーティング」の引き金&克服法
「ストレス発散のために甘いものが食べたい」と思ったことがある人は多いはず。なかには「あまりお腹はすいていないけど、ついつい何か食べ物を口にしてしまう」という人もいるのでは? 【写真】ストレスが溜まった時に、栄養士が食べているもの9 このように、満腹であるにも関わらず、感情のまま必要以上に食事をしてしまうことを「エモーショナルイーティング」といいます。そして、エモーショナルイーティングが常習化すると、命に関わる疾患のリスクが高まる可能性があるうえ、肉体面だけでなく、精神面や人間関係にも大きな影響を与える場合があるそう。 今回は、東北大学病院心療内科の医師である佐藤康弘先生に、エモーショナルイーティングの基礎知識や食事と感情の関係性、病のリスクや克服方法などについてうかがいました。 お話を伺ったのは:佐藤康弘先生 東北大学病院心療内科 講師/宮城県摂食障害支援拠点病院 職員として勤務。摂食障害の脳画像研究や摂食障害の認知行動療法を専門領域とし、数々の論文を発表している。2015年には、第56回日本心身医学会最優秀演題賞を受賞。 ※この記事は、診断の代わりとなるものではありません。症状について不安がある場合には、必ず医師または資格を有する医療従事者の助言を仰いでください。
エモーショナルイーティングとは?
“ネガティブな感情”が引き金となり、空腹とは関係なく感情を抑えるために大量の食べ物を口にすることを「エモーショナルイーティング」といい、一般的に「やけ食い」と呼ばれることも。 エモーショナルイーティングは、通常より食べるスピードが早くなり、満腹になったとしても頭が空っぽになったかのような感覚に陥り、食べる手を止められない、というのが特徴。このような状態が常習化すると、摂食障害につながってしまう可能性があります。 佐藤先生によると、エモーショナルイーティングをしてしまう人は、食べ終わった後に自己嫌悪に陥り、気分が落ち込んでしまう場合が多いそう。 「月に1、2回程度のやけ食いであれば、特に問題はありません。ただし、最低でも週に1回、エモーショナルイーティングをしてしまう状態が続くようであれば、摂食障害が潜んでいることも考えられます。重症の場合は1日に2回以上、大量に食べてしまうこともあります」 「実は、健康な人の30~40%が、ストレスを感じたときに食べる量がいつもより増えてしまいます。エモーショナルイーティングは一部の人たちだけの問題ではなく、多くの人が引き起こす可能性のあるものです」