ソフトバンク孫正義が熱弁した「OpenAI o1」と超知性。ただしSVFの出資有無の言及なし
10月3日、ソフトバンクグループの孫正義 代表取締役会長兼社長が同社のビジネスカンファレンス「SoftBank World 2024」で、AIの未来について熱弁を振るった。 【全画像をみる】ソフトバンク孫正義が熱弁した「OpenAI o1」と超知性。ただしSVFの出資有無の言及なし ソフトバンクグループの決算会見に登壇しなくなった孫氏。イベント当日の声はアレルギーの影響でかすれていたが、その情熱は一切衰えていないようだった。 「私は思い込みが激しいかもしれませんが、確信しています」 孫氏はそう前置きし、これからのAI革命について自身のビジョンを語った。見据えているのは、「超知性(ASI:Artificial Super Intelligence)」が10年以内に実現するという未来だ。
AGIからASIへ──AIの進化の8段階
孫氏は、AIの進化を8つのレベルに分けて説明した。 レベル1:人間とほぼ同等の一般的な会話が可能なAI。 レベル2:大学の博士号レベルの知識を持つAI。 レベル3:エージェント機能を持ち、人間の代わりにタスクを実行するAI。 レベル4:自ら新しい発明を生み出すAI。 レベル5:組織的に活動し、仕事を遂行するAI。 レベル6:感情を理解し、長期記憶を持つAI。 レベル7:自ら意思を持ち、人類の幸せを目指すAI。 レベル8:調和の取れた超知性。 レベル5まで満たすと、AIは人間の知能と「ほぼ1対1」になるAGI(人工汎用知能:Artificial General Intelligence)に到達する。しかし、孫氏が注目するのはその先だ。 「AGIの1万倍の知能を持つASIが、10年以内にやってくると確信しています」
シナプスとニューロン、人間の脳を超えるAIの可能性
孫氏は、人間の脳には約1000億個のニューロンと約100兆個のシナプスが存在すると述べた。 「賢さはシナプスの数におおむね比例します。しかし、人間のシナプスの数はDNAによって決まっており、この数万年変わっていません。 一方、生成AIはパラメータの数を増やすことで、どんどん賢くなります」 孫氏は、日本のAI研究が省電力化のためにパラメータを減らす方向に進んでいることを指摘し、それは「言い訳」に過ぎないと批判した。 「世界で一番優れたもの、一番賢いものに価値があるのです。パラメータを減らすのは、予算や電力が足りないからに過ぎません」