「考える」AI、OpenAIの新モデル「OpenAI o1」

孫氏は、AIが「考える」段階に進化したと語った。その象徴として、OpenAIが9月20日（現地時間）に発表した新モデル「OpenAI o1」について熱弁した。 なお、OpenAIは10月2日（現地時間）に、新たに66億ドル（約9600億円）の資金調達を完了したと発表。同社は調達元を明らかにしていないが、ソフトバンクグループも傘下のSVF（ソフトバンク・ビジョン・ファンド）を通じて参加しているという報道が複数ある（孫氏も講演中、資金調達については触れなかった）。 「数学の博士課程の問題で、従来のGPT-4は正答率13%でしたが、o1では81%に達しました。o1は『考える』という能力を持ったのです」 孫氏は、自身でもこのモデルを試したと語る。 「『1000万円を1億円にして返してほしい。達成するための戦略を具体的に述べよ』と質問したところ、75秒間考え抜いて、相当深い内容を答えてくれました」 考えるAIも時代には行動の速さではなく、深さが重要であるという。 「速さを自慢するんじゃなくて、深さを自慢する、そういうステージが来たんです」 孫氏は、この新モデルが「強化学習（Reinforcement Learning）」と「思考の連鎖（Chain-of-thought）」を活用している点に注目した。 「OpenAI o1は数千のエージェントが並列で動作します、最適な解決策を見つけ出だせる。75秒待たされる間に数十億回の試行錯誤がなされるわけですね。 もうね、待たせれば、嬉しい、という感じですね」 孫氏は、この強化学習によってAIが自らモデルを進化させ、必要なデータを獲得し、新たな発明を生み出す能力を持つと予測している。