「スイングバイIPO」で東証グロース上場のソラコム、LUUPやポケトークも採用するMVNOの戦略とは?次の一手はコネクテッドカー(石野純也)
上場により資金調達ができたソラコムですが、玉川氏は「上場はあくまでもゴールではなく、スタートライン。社会の公器として、孫の世代まで誇れる会社を作っていきたい」と語っています。 では、上場で資金を得たソラコムが打つ"次の一手"は、どのようなものでしょうか。 玉川氏によると、そのキーワードになるのがグローバルや大型案件、戦略案件だといいます。ソラコムは現在、戦略的アライアンスとして、KDDIとコネクテッドカーのプラットフォームを構築。2月には、スズキとの協業検討を開始しており、上場に合わせてスズキのコーポレートベンチャーキャピタルファンドを通じた出資も決まりました。 コネクテッドカーのプラットフォームは、ソフトバンクもアイルランドのキュービックテレコムを子会社化するなど、競争が激化している分野です。 また、戦略的アライアンスのもう1つが、キャリア向けのプラットフォーム提供です。冒頭で述べたように、クラウド上にコアネットワークを構築する動きは、国内外で一般的になりつつあります。 一例を挙げると、米AT&TはマイクロソフトのAzure上に5Gのコアネットワークを移行しているほか、ドコモも自社とAWSにそれぞれ5Gコアネットワークを構築し、切り替えを行う実証実験などを行っています。 こうした機運がある一方で、ソラコムのプラットフォームは「セルフサービスが提供できる仕組みは非常にユニーク」(玉川氏)。海外の通信事業者からは、「Amazon由来のやり方に興味を持たれる」(同)と言います。 実際、ソラコムの売上げの約10%はKDDI向けのプラットフォーム提供だといい、これをKDDI以外のキャリアにも拡大していく方針です。 現状では売上の3割程度が海外だというソラコムですが、コネクテッドカーのプラットフォームや海外キャリア向けのプラットフォーム提供が伸びれば、その割合はさらに高くなるかもしれません。
石野純也@TechnoEdge
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