「雪まつり」より早く雪像を楽しめる「さっぽろ彫刻展」
【北海道・札幌】現在、札幌市中心部の大通公園などでは2月5日(金)から開催される「第67回さっぽろ雪まつり」に向けて雪像を製作中です。その“本家”雪まつりよりちょっと早く雪像を楽しめるのが、1月22日(金)~24日(日)に本郷新(ほんごう・しん)記念札幌彫刻美術館(札幌市中央区)の本館前庭で開かれている「さっぽろ雪像彫刻展2016」です。
札幌出身の彫刻家・本郷新の記念館
本郷新(1905年~1980年)は札幌出身で、戦後の彫刻界をけん引した存在として知られています。同美術館の記念館は、もともと本郷が晩年を過ごしたアトリエを引き継いだもので、その隣接地に本館が建てられ1981(昭和56)年 に「札幌彫刻美術館」として開館し、今年で35周年を迎えました。 同美術館は札幌市中心部から車で15分ほどの閑静な住宅街の中にある小さな美術館ですが、本郷の作品を1800点近く所蔵するなど、札幌を代表する美術館の一つとして人気を集め、さまざまな企画が行われています。 そのイベントの一つ 、「さっぽろ雪像彫刻展2016」は2010(平成22)年から開催され、今年で7回目。札幌を中心に活動する彫刻家・版画家などのクリエイター、札幌市内の高校・専門学校の学生が制作した彫刻10点が展示されています。作品のテーマは自由ですが、唯一の条件が「同美術館内の敷地にある雪のみを使用する」ということです。
ぎりぎりのタイミングで「雪が降った」
同美術館の加藤正浩さんによると「製作前に雪が全然降らなかったので、開催できないのでは? と不安になりましたが、ぎりぎりのタイミングで雪が降って何とか開催できました。製作期間に入ってからは、各作家さんや学生さんが平均2~3日で作品を完成させました」と雪像彫刻の完成までの道のりを話しました。 また加藤さん自身もすべり台の製作を担当、「気象条件が一番の敵でした」とのこと。「気温が上がると溶けてしまいますし、ドカ雪が降るとせっかく作った作品の雪を払って調整して……先日の大雪の時にはスタッフと実行委員会の方が総出で雪かきをしました」と苦労を話しました。
最終日となる24日(日)は「光のワークショップ」を開催、照明デザイナーがLEDライトやキャンドルで雪と光の風景を作り出す企画も行われます。彫刻展の開催時間は午前10時から午後6時まで、ワークショップは午後3時半からスタートとなっています。 今年は開館35周年ということで、今回の彫刻点以外にもさまざまなイベントを用意しているということです。 (ライター・橋場了吾)