「富士そばはこれ一択」「カレーとかつ丼を食べたい時に最適」…。実は絶品「富士そばのカレーかつ丼」の独特すぎる“誕生の背景”とは?
その他では、1990年代から女性客にも利用してもらおうと、座席で食事できる店舗を増やしていきました。その結果、今や店舗数が100を超える中で立ち食い形態の店舗は笹塚店のみ。当初は女性客がほとんどいなかったところから、現在は1店舗当たり2~3割程度にまで増えているそうです。 今では店内で演歌が流れているのが一般的な富士そばですが、もともと有線でラジオや音楽を流していたのを演歌に切り替えたのも、1990年代から。
創業者の丹道夫氏が演歌の作詞を始めたことをきっかけに、店舗でも流すようにしたとか。余談ですが、2006年にはビクターエンタテインメントから『演歌魂~富士そば編~』というCDも登場しています。 そんな富士そば、きつねやたぬきといった定番に加え、同チェーンならではの「特撰富士そば(うどん)」や「肉富士そば(うどん)」、さらにはSNSで話題になるような独特なメニューも数多く提供しているのが特徴です。 開発企画広報を務める工藤寛顕さんによると、メニューのうち安定して人気があるのは「天ぷらそば(うどん)」と「紅生姜天そば(うどん)」とのこと。その他、醬油ラーメンやかつ丼も人気があり、多いときでは1日に200食ほどの注文があるそうです。
ちなみに、そばとうどんのいずれかを選べるメニューでは、そば派が7~8割、うどん派が2~3割といい、うどん派もそれなりにいることがうかがえます。 ■富士そばにかつカレーが(ほとんど)ないワケ そんな中、今回のメインであるカレーかつ丼が登場したのは1995年。富士そばではメニューの企画開発で現場の裁量が大きく、このカレーかつ丼も、池袋店(当時)の店長を務めていた方の考案だといいます。 「もともとは水道橋にあった店舗の店長を務めていた方なのですが、そのときに水道橋限定でかつ丼を発売したんです。その後池袋店に異動となってからもかつ丼を販売していると、あるお客さんから『かつカレーが食べたい』と言われたそうで、そこからカレーかつ丼の開発が始まりました」(工藤さん)