昨夏の全国王者をあと一歩のところまで追いつめた!バージョンアップが進む東洋大牛久
県1部リーグで2年目を迎えたチームが歩んでいる"強豪"への道のり。 令和6年度関東高校サッカー大会茨城予選の準決勝が5月8日にト伝ノ郷運動公園で行われ、明秀日立と対戦した東洋大牛久は延長戦で一度は逆転するなど健闘しながら、惜しくもPK戦で敗れた。 【フォトギャラリー】明秀日立 vs 東洋大牛久 2年生主体の東洋大牛久が昨夏の全国王者をあと一歩のところまで追いつめた。 大一番ということもあり、序盤こそ動きに硬さが見えた東洋大牛久イレブンだったが、ここを無失点で切り抜けると、その後はペースを握り、チャンスの数でも明秀日立を上回る。 本職がDFながら最前線を任されたFW16鈴木琉空(3年)は、持ち前の体力を活かし前線からプレスを仕掛け、ボランチのMF10西畑遼祐(2年)や右WGのFW11松本啓志(2年)は状況によっては最終ラインに入るなど、守備面でも臨機応変に相手の攻撃に対応。 32分にはロングスローをニアで逸らし、飛び出した相手GKを外したところに、長身のDF2東航太朗(2年)が飛び込みヘディングシュート。これはわずかに枠を捉えられなかったが、決定機を生み出すなど、ペースを相手に譲ることなく戦い続け、ハーフタイムには丸山和男監督から選手たちに「前半は完璧だぞ!」と声もかかる程の内容で前半を終えた。 そして勝負の後半。ギアを一段上げてきた明秀日立に60分に先制を許してしまったが、それでも東洋大牛久イレブンは諦めない。72分、左のMF7櫛田治弘(3年)がボックス内右に走り込んだFW9宮本海翔(3年)へ絶妙な浮き球を通すと、宮本がバウンドに右足を合わせ豪快にネットに突き刺し同点ゴール。途中出場の3年生が大仕事をやってのけた。 残り8分で追いつき、1-1のまま試合は延長戦へ。延長前半には、GK1伊藤颯(3年)のファインセーブも飛び出しピンチを凌ぐと、延長後半に入り92分、MF6稲葉陽(3年)がインスイングで蹴った左CKが相手のオウンゴールを誘発。遂に2-1の勝ち越しに成功した。 この時点で、残り8分+ATを凌げば勝利の状況。しかし、そこから守備陣が明秀日立の猛攻を受けると、残り1分となった99分にまさかのPK献上。これを決められ、すぐに延長戦が終了。2-2でPK戦に突入した。 PK戦では2本目と3本目を止められてしまい、2-4。東洋大牛久にとっては勝利が目前だっただけに悔しい敗戦となった。 試合後「やっぱり関東に行きたかったので悔しいです」と話した丸山監督。それでも「明秀さんを相手に力強く良くやってくれた」とスタメンに7人の2年生が並んだ中、健闘をみせた選手たちを労い、「1年生が70人入ってきたので、応援のパワーもありました。それとファーストでは勝てないから二つ目で回収しようと割り切って意識したことで、反応も速く主導権を渡さずにできた」と屈強なフィジカルを持つ相手に対しても狙い通りに戦えたことに手応えを掴んだようだ。