年末年始もラストに驚愕! 衝撃のエンディングに震える”どんでん返し”映画5選!
奇想天外な発想で”記憶の本質”に迫る!『エターナル・サンシャイン』
奇才チャーリー・カウフマンの脚本を、ミシェル・ゴンドリーが鮮やかに具現化した秀作。バレンタインデーの朝、ジョエルは通勤途中、ふと衝動に駆られて逆方向の電車へ乗る。着いた先は海辺の街。そこで青髪のクレメンタインと出会い、惹かれ合い……。かと思えば、場面は二人の愛の終焉へと飛ぶ。ある日、ジョエルが話しかけてもクレメンタインは全くの他人顔。どうやら彼女は施術を受けて彼に関する記憶を消したらしい。傷心のジョエルもまた同施術を受けて彼女の記憶を消そうとするが、施術中、どうしても忘れたくない気持ちが高じて、意識が脳内記憶内をあちこち逃げ回りはじめる。 【ここからネタバレ】 施術を受けて彼女の記憶を失ったジョエル。しかし翌朝、なぜか衝動に駆られて海へ向かう(冒頭シーン)。まっさらな記憶で新たに出会った二人は、一本のカセットテープによって両者とも施術を受けた事実を知る。と同時に、かつての破局の原因に互いへの不満や苛立ちがあったことを認め合い、今度は別れではなく、共に乗り越えていくことを選ぶーーー。公開から約20年、優しく繊細なラストの余韻は今なお一向に色褪せない。
文=牛津厚信 text:Atsunobu Ushizu