〈食べログ3.5以下のうまい店〉天六の路地裏に出現!名店出身シェフ2人によるイタリアンの新星
「持ち場は、それぞれの得意分野で」。そう話す田中さんは、前菜と飲み物全般を。一方の福田さんは、パスタやメインなど加熱を必要とする料理を担当する。それぞれが互いのサポートに入ることがあれば、サービスも行う。修業時代、苦楽を共にした2人らしい阿吽の呼吸が、店づくりや味づくりの随所に宿るのだ。
名店で培った技が光る、素材感みなぎる前菜
メニューはアラカルトが主体。冷菜、温かい一品、揚げ物、パスタ、肉料理など、カテゴライズは独特。最初に味わっていただきたいのは、旬の素材を用いた冷菜。近所には「天満市場」があるため、とっておきの新鮮な食材を毎朝、仕入れることができる。
なかでも「春野菜とうすいえんどうのスープサラダ」は、旬野菜の個性が際立つ一品。スープに見立てたのは、うすいえんどうのピューレ。「豆を皮ごと茹で、茹で汁と塩だけで調味しました」と福田さん。口に運べば、香り高く、優しい甘みがじんわりと広がる。蒸し焼きにしたモロッコインゲンやアスパラガスはジューシーなうまみを放ち、バターソテーしたインカのめざめの濃厚な甘み、自家製のドライトマトの凝縮感ある味わいが、時間差で押し寄せてくる。さらには、パンチェッタやパルミジャーノ・レッジャーノのうまみがじつにいいアクセントに。
「一番気をつけているのはあんばいでしょうか。塩が薄すぎても、強すぎてもいけない」と福田さん。2人の師匠・山根シェフが提唱する“素材の旬と質に細心の注意を持ち「最適調理」に徹する”というスピリットを感じさせる一皿に仕上がっていた。
仔羊、スパイス、餃子!? 国境を越えた飲ませる味づくり
「飲みの街」に誕生したイタリアンだけあり、自由度が高いメニュー構成も「PotaLa」ならでは。福田さん曰く「お酒のアテにぴったりの餃子もご用意しています。だけど普通の味だと面白くないから」と考案したのが「仔羊 スパイス餃子 パクチー」。
仔羊ミンチをベースに、五香粉やナツメグなど8種のスパイスを配合したエキゾティックな味わい。そのまま味わうのもよいが、黒酢をちょんっとつけてパクチーと共に頬張れば、中国と中近東がミックスしたような、国境を越えた味の広がりが楽しい!