まだ盛り上がってない大阪・関西万博を「動かす側になりたい」 関西大の万博部は部員140人
1970年に開催された大阪万博から55年。「大阪・関西万博」の2025年4月の開幕が近づいてきました。課題点ばかりが指摘されていますが、関西の大学では学生たちが万博に向けて様々な活動を活発化しています。(写真=2023年に発足した「関大万博部」の部員たち。関西大学提供) 【写真】関大万博部内のプロジェクト「エモジケーション」。絵文字だけを使って言語の壁を越えた意思疎通を試みる
大阪・関西万博を「動かす側」に
大阪・関西万博に向けて、関西大学に2023年に発足した学生コミュニティー団体は、その名も「関大万博部」。24年春には約120人の学生が新規に入部して部員数が一気に7倍になり、現在は約140人に。「万博のワクワク感を伝えたい!」との思いのもと、9つのプロジェクトに分かれて活動しています。 プロジェクトは、言葉の壁を乗り越えて絵文字によるコミュニケーションツールの開発などに取り組む「エモジケーション」、食品ロスの軽減と防災意識を高めるために独自の非常食アレンジ弁当を開発・販売する「未来の私たちへ」などで、学生たちの関心事やSDGsの観点からアイデアを出しました。 発足時から参画する商学部2年の岡田崇佑(そうすけ)さんと、環境都市工学部2年の佐久間由飛(ゆうひ)さんは、数ある学生団体の中から「関大万博部」に入部した理由をこう話します。 「もともと万博に興味があり、日本で開催する貴重な機会に参加したいと思っていました。大学の講義でこの団体の存在を知り、僕も動かす側になりたいと思いました」(岡田さん) 「僕たちが3年になる年に万博が開催されるため、在学中に最初から最後まで関われるのは貴重だと思いました。出身が神奈川県なので、地元や関東にいる友人たちにはできない体験を味わえるのではと思ったのも理由の一つです」(佐久間さん)
クラフトビールに「やろ、やろ、やろ!」
2人が所属するのは、オリジナルのクラフトコーラとクラフトビールの開発を通じてコミュニケーションを生み出す「關杯(かんぱい)」プロジェクトです。最初はクラフトコーラの開発のみでしたが、同時期にクラフトビールの開発に取り組んでいた「関大ブリュープロジェクト」の活動が関大万博部に統合されました。 20人のメンバーを引っ張るリーダーとして活動中の2人は、万博が開幕する頃にはお酒が飲める20歳に。「万博部にビールのプロジェクト加入の話が入ってきた時、『やろ、やろ、やろ!』と推しました」と佐久間さんは笑います。 ビール造りは、原料となるホップの割合や、フレーバーの有無などのパターンの中から味を選んでいきます。一方のクラフトコーラ作りはより複雑で、何種類もあるスパイスや果物などをどう配合するかで味ががらりと変わるため、50回以上の試作を重ねました。判断基準としたのは、「万人受けする味」です。 2人は「最終的には味は多数決で決めました。レモンとスダチを入れる予定なので、後味はスッキリしていて飲みやすい。イメージでいうとレモンスカッシュのような感じです」と話します。