まだ盛り上がってない大阪・関西万博を「動かす側になりたい」 関西大の万博部は部員140人
万博開催地での盛り上がりは?
アイデアが形になっていく中で、気になるのは万博開催地の盛り上がりです。2人は「最近では街中でよくポスターを見かけるようになったものの、万博自体の盛り上がりはまだ今一つ」と率直な感想を語った上で、「万博の印象を良い方向に転換させるためにも、自分たちがまずは盛り上がらないといけないと思うようになりました」と言います。 「最初は万博に乗っかる形で活動しようと思っていました。でも今は万博を盛り上げるための商品作りではなく、自分たちの商品を盛り上げることが万博の盛り上がりにつながるはずとの考え方に変わりました。万博は自分たちの活動の通過点だととらえています」(岡田さん) 商品化に向けての産学連携の取り組みの中で、企業の情熱やパワーに触れ、3年次から始まる就活に対する考え方も変わったといいます。大企業への就職に関心があった岡田さんは「自分の裁量で企画を立てられたり、様々な場所に足を運べたりするベンチャーや中小企業のほうが働きがいはあるかもしれないと思い始めています」と言い、佐久間さんも「自分は理系で、もの作りに興味がありましたが、自分のアイデアを生かしてゼロから何かを作り上げる経験ができるかどうかを、会社選びの軸にしたいと考えるようになりました」と話します。 ビールのラベルが完成し、次にコーラのラベル作りを進めていく段階で、万博時に販売することを最終目標に、チーム一丸で活動を進めています。
大規模なオンラインオーケストラ
大阪・関西万博に向けて活動する学生団体は、ほかにもあります。 立命館大学万博学生委員会「おおきに」は、社会課題の解決に関心のある学生約120人が参画し、食班、環境班、多様性・異文化理解班など10のグループに分かれて活動しています。24年5月には、同大学の大阪いばらきキャンパスで開催された地域交流イベント「いばらき×立命館DAY2024」で各班がブースを設けました。その中で「日本文化班桜」は、和柄のフォトフレームを作成するワークショップを実施しました。また、万博で実施される「世界同時1000人やぶさめ立射演武チャレンジ」のPRを担当しました。 大阪大学2025年日本国際博覧会推進委員会学生部会に所属する学生団体「a-tune(ええちゅーん)」 は、音楽を通じた国際交流を企画し、万博への出展を目指しています。遠く離れた海外のオーケストラとオンラインでつながる「遠隔合奏」を通じて、音を奏でることで一つになる「e-Symphony」の活動をしています。24年3月には、万博開催まで400日になったことを記念し、「e-Symphony for 2023~realize~」を大阪府池田市で開催。大阪、ドイツ、ベトナム、フィリピン、沖縄の5拠点を繋ぎ、10カ国の学生たちがオンライン上で一堂に会して演奏する「オンラインオーケストラ」を開きました。万博では、100カ国の学生とオンラインオーケストラを実現することを目標としています。 こうした学生たちの活動が、大阪・関西万博を盛り上げるのに一役買いそうです。
朝日新聞Thinkキャンパス