オラクル株、1年ぶりの大幅安-決算が投資家の高い期待に応えられず
(ブルームバーグ): 10日の米株式市場でオラクルの株価が急落。一時10%を超える下げとなり、日中ベースでは約1年ぶりの大幅安となった。前日引け後に発表した9-11月(第2四半期)決算で売上高が市場予想と同水準にとどまり、クラウド事業への期待を高めていた投資家の間に落胆が広がった。
発表資料によると、売上高は前年同期比9%増の141億ドル(約2兆1300億円)。注目されたクラウドインフラ事業の売上高は同52%増の24億ドルと、アナリストが見込んでいた伸び率とほぼ一致した。
同社はアマゾン・ドット・コムのクラウド部門アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)やマイクロソフトに対抗すべく、コンピューター処理能力とストレージを貸し出すクラウドインフラ事業での足場拡大に注力。最近は人工知能(AI)サービスを手掛ける企業やウーバー・テクノロジーズなどの主要顧客からの需要に後押しされている。前日まで株価は年初来で約80%上昇していた。
RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、リシ・ジャルリア氏は9-11月決算について「高い期待に反して強弱まちまちな四半期だった」と述べた。
一部項目を除いた1株利益は1.47ドル。ブルームバーグがまとめたアナリストの平均予想は1.48ドルだった。インフラとアプリケーションを含むクラウドの売上高は59億ドル。アナリスト平均予想は60億ドルだった。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のアナリスト、アヌラグ・ラナ氏はクラウドインフラ事業の売上高が52%増となったことは「直接および間接顧客からのAIワークロードの力強い拡大」を示していると評価した。
オラクルのサフラ・カッツ最高経営責任者(CEO)は12-2月(第3四半期)について、売上高は全体で前年同期比8%増を見込んでいると述べた。一部項目を除いた1株利益は1.47-1.51ドルで、クラウド事業は約24%増収となる見通し。これらはすべてアナリスト予想を下回っている。