予備校に聞く ── センター試験・新課程問題と国公立大2次試験への対策取り組みは?
大学入試センター試験2日間の日程が終了して1週間余り。26日からは国公立大学の2次試験の出願が始まった(締め切りは2月4日)。私立大学の試験も1月下旬から順次始まる。現在の高校3年生が学んだ新学習指導要領により出題科目が変更され、現役生にとっては学習すべき内容・範囲が拡大する一方、既卒生は、新課程問題と旧課程問題が選択可能な受験内容となった。愛知県では40を超える会場で志願者約3万8000人が受験。各予備校でも新課程問題についての対策がとられたようだが、その中の一つ河合塾(愛知県名古屋市)にこの一年間の対策と国公立大学の2次試験への対策を聞いた。
5年以上前から新課程を見据えた対策
新課程の大きな変更は数学と理科。各科目で扱う内容が見直され、履修科目の変更や再編、新設が行われた。それに伴いセンター試験の出題科目・出題範囲も変更となり、志望大学の入試科目によっては受験生が学習すべき科目数、内容が従来と比べ大きく変化した。 河合塾では高等学校学習指導要領の改訂内容について分析を行い、ホームページ上でポイントや入試への影響を2009年9月から掲載。教科ごとにページを設け、科目表やサンプル問題も掲載していた。つまり現在の高校3年生が中学1年生の時から、対策を講じていたということになる。 またセンター試験対策として河合塾高卒生教務部の浅野晴久さんは「新課程で学んだ現役生にも旧課程で学んできた既卒生にも、入試に対応できる最適なカリキュラムで指導してきました。数学では新旧両課程で大きな変化はないため、既卒生に対しても新課程固有の科目を通常の授業で扱い、さらに万全な対策ができるように専用のテキストを作成して特別講義を実施し、個別質問への対応なども含めて生徒をサポートしました」と話す。 また理科についても「数学とは異なり、既卒生が新課程科目を受験する場合、学習すべき科目数や知識量が増加するなど、学習上の負担は決して小さくありません。そのため、既卒生に対しては旧課程科目での受験を前提に、旧課程でしっかり得点できるカリキュラムで対応しました。センター試験では10月の出願の段階で、受験する科目パターンを決めておく必要があるため、河合塾で実施する全国最大規模の模擬試験のデータを利用し、試験の実施後に科目選択状況や動向の変化を詳細に分析。最新データを活用した受験指導を行い、学習面以外でも安心して試験に臨めるようにしました」と万全を期していたようだ。