琳派400年記念「琳派ロック」京都で異色のダンスコラボ
琳派400年記念「琳派ロック」京都で異色のダンスコラボ THE PAGE大阪
「繪舞台琳派ロック」をご存じだろうか。これは琳派400年記念祭の一環として開催されるもので、絵師の木村英輝さんが総合プロデュースを務めている。本公演は12月だが先日、「京都府立府民ホールアルティ」(京都市上京区)で記者会見が開かれ、事業説明と舞台パフォーマンスが行われた。関係者らは「一般の人たちにもっと知ってもらいたいですし、京都から新たな概念を発信したい」と意気込みをみせている。
絵画とともに音楽やダンスで融合
琳派とは現代の日本の芸術、工芸をはじめ建築、衣装、料理にまで影響を及ぼしている芸術様式のこと。本阿弥光悦と俵屋宗達が出会い、光悦が徳川家康から拝領した土地・鷹峯に芸術村をつくったのが1615年(元和元年)。この年を琳派誕生の起点と位置づけており、今年はそれから400年になる。琳派は家系や師弟関係もなく、時間も場所もかけ離れた芸術家の私淑によって継承されている。 この日の会見では、春夏秋冬を表現した木村絵師の屏風を前に出演者らが一堂に会して行われた。木村絵師は「アートがどんなものかを感じてもらい、京都から新たな概念を発信したい」と熱意を語った。 呼びかけに応じて集まった琴や尺八、ピアノなどの演奏者やダンサーなど、異なるジャンルのプロたちが絵画とともに音楽やダンスで融合し、斬新なステージを創出するという。
京都から違う形の概念を発信していきたい
プロデュースしたキーヤンこと木村英輝絵師は、1942年大阪生まれ。京都市立美術大学図案科卒業後、同大講師に。そして日本のロック黎明期に、オルガナイザーとして数々の伝説的イベントをプロデュースしたことで知られる。 還暦より絵師へと転向。手がけた壁画は国内外で100カ所を超え、それらはロックと共に歩んできた半生の結晶体のようで、躍動感に溢れている。アトリエでカンバスに向かうのではなく、「ライブ」な街に絵を描きたいとし、究極のアマチュアリズムを標榜する異色の絵師とも言われている。 「琳派400年を記念し、京都から違う形の概念を発信していきたいなあと思いました。講演だけでは意味がないので、ダンスを踊ったり、歌ったり、ただの講演ではなしに、単に絵でもなく、いろんな総合的に重なったものができないかと企画したものです」と話し、「今の時代になって改めて琳派が出てきて、アートって何だろうと問い直してみたいなあと思いました。明治の初めに、岡倉天心とかそういう人たちがアートを日本に持ち込んできました。アートが入ってくるまでは人間は自然の一部だと思っていた」などと続けた。