「税金を1円たりとも無駄にしない」 静岡県鈴木新知事初登庁 県職員は戦々恐々?
静岡県の鈴木康友新知事が初登庁し、記者会見に臨みました。職員に対しては「税金を1円たりとも無駄にしない」と訓示しました。 久須美舞記者: 「(車入ってくる)いま鈴木知事が県庁に到着しました。車から降りました。大勢の職員らが拍手で鈴木知事を迎え入れています。花束が手渡されました」 激戦だった知事選から3日、鈴木康友新知事が、県庁に笑顔で初登庁し、「鈴木県政」がスタートしました。 しかし、関係者によりますと、県庁には鈴木新知事の誕生に戦々恐々としている職員が少なくないといいます。 鈴木新知事は、浜松市長時代、「行政改革」を掲げ、行政の無駄を排除して1300億円の借金を返済した実績があります。また、「たたき上げの政治家」として、前例踏襲の「お役所文化」を嫌い、民間感覚での「自治体経営」を標榜してきました。 鈴木知事: Q.鈴木康友知事と描かれた席座った気持ちは? 「本当に改めて身の引き締まる思いでございまして、これからしっかり仕事をしていかなければいけないなというふうに決意も新たにしている」 その後、県庁職員を前に、初めての知事訓示に臨みました。 鈴木知事: 「今日は少し職員の皆様に私の基本的な考え方、政治姿勢についてお話を申し上げまして」 その基本方針は、これまで長く続いた官僚出身や学者出身の知事とは一線を画すものでした。 鈴木知事: 「一つ最初は、やっぱりこれからの自治体、国もそうですけども、経営感覚というのは必要だと。税金は1円たりとも無駄にしないと。 これまでの前例踏襲主義とかですね。いわば役所の常識と言った、その役所の枠内のような考え方にとらわれずに、どんどん新しいことにチャレンジをする。できない理由を並べて、そこで止まるのではなくて、どうしたらできるか、知恵を出していくということがとても大事になってくると思っている。スピード感を持ってですね。皆さんと一緒に仕事をして行きたいと思います」 そして、初めての知事会見で… 鈴木知事: 「今回、県民の皆様からご負託を受けまして、県政を推進していくことになりました。リニアの問題、あるいは遠州灘の海浜公園の野球場の問題とか、さまざまな課題もございますので、まずはしっかりと職員の皆様からヒアリングを受けて、全容を把握した後、スピーディーに事に当たっていきたいというふうに思っております」 会見場で知事の後ろに置かれたボードからは、川勝知事時代の「富国有徳美しいふじのくに」というキーワードが消えていました。 質疑応答も、特にリニア問題で顕著だった川勝知事時代の長時間で、禅問答のようだったやりとりから大きく変わりました。 鈴木知事: Q:山梨県で進んでいる調査について、先日の県の専門部会でも事実上容認したという形になってますけれども、このボーリング調査についてはどのように進めていく? 「私自身、この調査自体は、私はやるべきだと、まず調査なくして前には進みませんので」 Q鈴木知事は着工にゴーサインを出すとしたら、どこの形でどういうふうになればゴーサインを出しますか 「今出ている課題がしっかり解決案が示されて、特に流域沿線の、流域市町の皆さんの不安がある程度解消されるということがやっぱり必要かなというふうに思いますし、最後は、そうは言ってもですね、どこかで政治的な決断も必要かなとは思います」 浜松の新県営野球場については…。 鈴木知事: 「何か370億とか、ドームかドームじゃないのかとか、それだけで判断するもんじゃないだろうなというのが私の個人的な見解ですので、ぜひ最初の全体構想の部分からもう一度私は見直さないと判断を誤るんじゃないかなという、個人的にはそういう見解を持っております」 知事公舎にも入居しない考えを示しました。現在の知事公舎は、1988年に建設されました。静岡市の高級住宅街の一角、420坪の敷地に数寄屋造り風の平屋がゆったりと建てられています。 総工費は建物だけで1億2500万円という豪華なつくりで、斉藤知事、石川知事、川勝知事の3代の知事が入居していました。 鈴木知事: 「相当、施設自体も老朽化して傷んでいるということも聞いておりますので。賃貸マンションもね、今探していただいてるので、それが見つかれば、そこが一つ拠点になるかなと思いますけれども」