「わかっちゃいるけれど、やめられない」習慣の隠れ原因はこの4つ!「脱ダラダラ習慣!1日3分やめるノート」の著者に聞く
今回のテーマは「なかなかやめられない習慣」についてです。「たまひよ」アプリユーザーに聞いたリアルなエピソードとともに、認知行動療法にくわしい中島美鈴さんにアドバイスを伺いました。 【画像】夕食はパンケーキなど、北欧もこんなに手抜き育児
お菓子や漫画、SNSなど、つい手が伸びるものがいっぱいの現代
最初にみんなの「なかなかやめられない習慣」から紹介します。 「マンガがとにかくやめられない。買ってばかりで売らないから貯まる一方…」(びぃばぁ) 「毎日のお菓子」(みい) 「甘いものは控えたいが、それを楽しみに日々頑張れているのでやめられない」(ちーくんまま) 「お菓子のドカ食い」(たけ) 「胃が弱いのに辛い食べ物が大好き過ぎて、やめれない」(caho) 「ネットサーフィンは時間の無駄だとわかっていてもやめられない」(あーと) 「夜更かししてスマホを触って、ネットサーフィンしてしまう」(きゃさりん) 「スマホのゲーム」(ミーママ) 「空いた時間、ずっとYouTubeを観てしまう」(小春) 「ソーシャルメディアのスクロール」(ミミ) 「夜更かししてドラマや映画を観てしまう」(さーやん) 「家だとズボン履くのが億劫で、Tシャツ1枚で過ごしてしまうこと。宅配便などが来た時に毎回焦りながら出ているので、履く習慣をつけたい」(ピヨちゃん) 「爪を噛む癖がやめられません」(あっ) 「どうにもできない将来のことをいろいろ心配してしまう癖」(たまこ) 「1日1回、夫を怒ること」(ころ)
やめたい行動の隠された“動機”について考えてみて
「自分にとってよくない」とわかっているのにやめられないのはなぜでしょうか。その理由と、どうすればやめたい習慣をやめたり減らしたりできるのか、『脱ダラダラ習慣!1日3分やめるノート』の著者である中島美鈴さんにお聞きしました。 「お菓子にネットにSNSに動画にドラマ…私たちの生活には、楽しいご褒美がたくさんありますよね。人類史上、最も誘惑の多い時代なのではないでしょうか。 ここで『ご褒美』として、これらが私たちの疲れを癒してくれ、リフレッシュにつながるのならば、問題はないわけです。 しかし、『誘惑』でしかなくて、困った結果になるとわかりながらもやめられないようになっているとしたら、もうこれはすでにご褒美ではありません。 付き合い方を考える段階にきているといえるでしょう。 私たちが『自分にとってよくない』とわかりながらも、やめられない習慣があるときには、たいていその悪い結果を上回るほどの『隠れたメリット』があるのだそうです。 たとえば、太るとわかりながらも食べすぎてしまうお菓子を想像してみると、うなずけますね。 やめられない習慣の背景には、その『隠れたメリット(動機)』が4つあると言われています。 1つ目は、そのものが欲しかったとか、それがあると、ある活動が楽しくなるなどの動機です。 おなかが空いているからお菓子を食べている場合が、これに当たります。映画館でポップコーンがあると、さらに楽しく鑑賞できる場合もこれに当たります。 2つ目は、社会的な理由です。 久しぶりに会う友だちとカフェで甘いものを一緒に食べるとより親密になれるのが、それに当たります。インスタ映えするためにお菓子を注文するのもこの理由によるものです。 3つ目は、現実逃避という動機です。 ストレスフルな1日の終わりにチョコレートケーキをドカ食いすれば、嫌な気持ちから逃げることができますよね。 4つ目は、身体感覚です。 スナック菓子の歯応えは、イライラした気持ちをぶつけるのにいいでしょうし、甘いお菓子は体の緊張を緩めてくれます。 さて、あなたのやめられない習慣には、どんな隠れたメリットがあったでしょうか? みなさんがやめたいと考えている習慣は、これらの4つのどれかにあてはまるはずです。このメリットに気づくことができれば、今度は、それ以外の方法でメリットを満たせるように工夫すればいいのです。 つまり、お菓子の代わりに、同じようなメリットをもたらす別のものを見つけるのです。 おなかが空いていた人は、お菓子ではなく栄養のあるご飯を食べればいいでしょうし、友だちと親密になるためには、散歩やランチなど、方法はいろいろあるでしょう。 現実逃避で何も考えられないほど追い込まれた人の中には、筋トレに集中したという人もいれば、カラオケで発散したという人もいます。体の緊張を緩めるのが目的ならマッサージやサウナもいいでしょう。 こうして別の行動に置き換えていくことで、ただ痩せ我慢するより無理なくやめることができるでしょう。 まずは、自分の『やめられない習慣』の背景を知ること。そこからスタートしてください」(中島美鈴さん) 背景を知ることが大事なんですね。やみくもに「自分はダメだ」と落ち込まずに、「自分は何を求めているのだろう?」「自分はこの時間に何をしたいのだろう?」などと考えてみることから始めてみようと思いました。 (取材・文/橋本真理子、たまひよONLINE編集部)
中島美鈴さん
PROFILE) 臨床心理士、公認心理師。九州大学大学院人間環境学府学術協力研究員。専門は認知行動療法。保護観察所や少年院などでの臨床経験は23年を超えている。著書に『脱ダラダラ習慣!1日3分やめるノート』(すばる舎)など。 ※文中のコメントは「たまひよ」アプリユーザーから集めた体験談を再編集したものです。 ※記事の内容は2024年9月の情報であり、現在と異なる場合があります。
たまひよ ONLINE編集部