暗号資産支持派を取り込んだトランプ氏、予測市場でリード広げる
今週の予測市場では、次のような動きが見られた。
予測市場から見る米大統領選
少なくとも予測市場を見る限り、トランプ前大統領は強力な暗号資産推進姿勢を取ることで、現職のバイデン大統領に対するリードを強めているようだ。 この1週間で、トランプ氏は闇サイト「シルクロード」の創始者で、暗号資産コミュニティの多くにとっては大切な存在であるロス・ウルブリヒト(Ross Ulbricht)氏の減刑を約束し、アメリカをデジタル資産業界のリーダーにすると宣言した。これは、バイデン政権の姿勢に比べると、明らかに業界に対する気遣いを見せたものだ。 同じ期間に、個人トレーダーに人気の選挙ベッティング(賭け)プラットフォームのPredictItでは、バイデン大統領が再選すれば1ドルが支払われることに対する掛け金は、46セントから44セントに下落した。 バイデン大統領が再選された場合は、掛け金1口につき1ドルが支払われ、敗れた場合は何も支払われない。44セントという価格は事実上、バイデン大統領が再選される可能性は44%と市場が見ていることを意味する。 暗号資産ベースの予測市場ポリマーケット(Polymarket)は、厳密にはアメリカ居住者の利用を禁止しているが、同様の動きを見せている。 トランプ氏の勝率は7日間で2ポイント上昇して56%、バイデン大統領の勝率は2ポイント減少して37%になった。 世論調査では、予測市場に比べて両候補の間にそれほど劇的な差があるわけでも、先週1週間で劇的な変化があったわけでもない。 世論調査サイトのFiveThirtyEightによれば、トランプ氏のリードはわずか80ベーシスポイント上昇して1.7%。予測市場の支持者たちは、電話で質問に答える世論調査とは異なり、賭け金を支払う人たちは金銭的に直接的な利害を持つため、予測市場は、一層信頼性の高いセンチメント測定や予測ツールになり得ると主張している。 市場はまた、トランプ候補の副大統領候補としてノースダコタ州知事のダグ・バーガム氏にも関心を寄せている。 バーガム氏は最近、トランプ氏の集会でスピーチを行い、ウォールストリート・ジャーナル紙は、共和党の内部関係者が彼を「金持ちの友人を持つ金持ちで、トランプ氏にとってそれは大きな意味を持つ」と評していると伝えた。 ポリマーケットでは、バーガム氏の掛け金は3ポイント上昇して現在18%、18セントで取引されているが、PredictItでは、わずかに下落し、15セントで取引されている。 どちらのプラットフォームでも、バーガム氏はティム・スコット氏に後れを取っている。スコット氏はPredictItでは23%、ポリマーケットでは27%とリードを保ち、ポリマーケットで10%のマルコ・ルビオ氏や4%のニッキー・ヘイリー氏といった著名な共和党候補者を大きく引き離している。